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えん罪男性、人生の再出発=妻に去られ、自殺未遂3度

2006年2月24日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】殺人のえん罪で八年間刑務所に服役した男性(41)が無実と認められて、晴れて出所した。男性は一九九七年にミナス・ジェライス州コンゴニャス市で発生したタクシー運転手殺害事件の主犯として逮捕され、二十三年の実刑判決を受けたが、犯人が別にいることが判明して無罪となった。
 このニュースは全国に衝撃を走らせた。八年間の刑務所暮しの間に妻は別の男と再婚、住んでいた家も失った。娘とは再会を果たしたものの時間とともに失われたものは大きかった。これに対し政府はどう補償するのか、裁判所および検察の責任はどうなるのかが注目されている。
 とくに警察と検察は物的証拠が一切ないまま、犯人グループの共犯だった当時十六歳の少年の偽証を唯一の決め手としたことで非難が沸き起こっている。裁判官も検察の言い分をウノミにしたことで、ズサンで無知な裁判が問題視されている。全国弁護士連盟は「疑しきは罰せず」という基本のイロハをないがしろにした恥じるべき行為だとの声明文を発表した。
 出所した男性は検察が自白したと申立てたのに対し、拷問を受けながらも一度も自白したことがなく、逆にえん罪を主張してきたと述懐している。共犯の少年も偽証を認め真犯人二人の名を明かした。主犯格の男は麻薬代金の借金を払うためタクシー運転手を殺害し金を奪ったという。この男はえん罪の男性と一度モメたことがあり、このため犯行を男性とする偽証を少年に強要したとのこと。
 男性の妻は一度面会に来たが、判決を知って二度と顔を見せなかった。当時三歳の娘を抱えて生活苦から他の男性と再婚した。事件当日、夫婦は家の中で過ごしていたと主張したが、警察は信用しなかった。唯一人の証人の妻が去ったことで男性は三度自殺を図ったが未遂に終わった。その後はバイブルを読みながらえん罪が晴れるのを待った。
 男性は知人の紹介で再三面会にきた女性(41)との間に恋が芽生え、獄中労働で得た七〇〇レアルを基に結婚することになり、第二の人生のスタートを切る。

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