2006年2月25日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】裁判の結審の遅れに対する批判が高まる中、関係当局は改善に向けて専門機関を発足させた。この機関は国家司法審議会(CNJ)で、法務省などから独立して司法体制などを上申する。同審議会によると、裁判の審査の遅延は担当判事が抱える過重な案件が原因だという。
調査によると、全国各州で判事一人当りの一審審査は年間で、二〇〇三年は三四百件だったのが、〇四年には三千四十一件に減少したものの、サンパウロ州では九千百五十九件から九千三百二十四件へと増加した。
〇四年は判事が人口十万人当り七・五九人の割合と増員し、総数一万三千七百八十二で、IT機器などに要した経費は二一七億九四〇〇万レアル強に達したにもかかわらず、〇三年と比し改善されていない。逆に結審の遅れは〇三年が七五・四五%だったのが、〇四年では八〇・五一%となった。連邦地裁では八一・三七%から八四・三六%へと遅れが加速した。これにより一〇件のうち八件は年内結審ができず翌年回しとなる。
〇四年の判事一人当りの審査件数は州で三千四十一件、労働裁判で千九百七十四件、連邦裁判で五千二百二十二件となっている。連邦裁判は国相手の訴訟が多いため、より時間が費やされる。また新規案件は判事当り、州で九百十五件、労働裁判で千十八件、連邦で九百九十七件と〇三年よりは若干減少した。
スピード判決を目的としたサンパウロ市特別民事裁判も例外ではない。この裁判は被害額が最賃の四十倍(現行では一万二〇〇〇レアル)以内の軽犯罪を行っている。その七〇%が労働契約で、三〇%が隣同士のケンカや交通事故の補償問題となっている。
ヴェルゲイロ通りの裁判センターでは十二人の判事と八十人の職員が処理に当っているが、百二十件から百五十件の判決を毎月下しているが、新規提訴が一日百五十件相当の月三千件に及ぶことで、スピード判決とは程遠い状態となっている。