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大統領候補の決定先送り=PSDB執行部に慎重論=セーラサンパウロ市長、態度示さず

2006年3月3日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】今年十月の大統領選挙に向けて、ルーラ大統領の再選を阻止すべく党内結束を固めているブラジル社会民主党(PSDB)は、党公認候補の一本化を先送りとした。党公認候補の決定は二月以内を予定していたが、党内実力者の申し合わせでカーニバル以降とされ、さらに今後一週間ないし十日以降に延期された。
 党内外から早急な党方針決定の圧力がかかっている中、執行部内では慎重論が大勢を占めている。この背景にはアウキミンサンパウロ州知事が逸早く出馬を表明したのに対し、対抗馬とされるセーラサンパウロ市長が態度を決めかねていることが原因となっている。
 このために党内分裂の様相を呈し、セーラ支持者はアウキミン知事の先走った行動を批判する声が挙がっている。党執行部はこれによるダメージを一掃、党員が納得する決定を行って、選挙に向かって一丸となる気運が盛り上がることを狙い、先送りにしたとみられている。
 これを踏まえて実力者とされるカルドーゾ前大統領はバイーア州へ、ネーヴェス・ミナス州知事はカナダへ、セーラサンパウロ市長はアルゼンチンへ、タッソ党総裁はセアラ州にそれぞれ旅行した。
 アウキミン州知事を推挙しているのは四州知事(ゴイアス、パラー、パライーバ、ロライマ)と二上議、下議の大半、サンパウロ州内党員で構成されている。擁立の主眼点は、知事としての評価、サンパウロ州での圧倒的勝利、サンパウロ州企業家や財界の支持などを挙げている。これに対し不安を抱く向きは、世論調査で第一次投票で敗北の結果が出ていること、全国的に知名度が低いことを指摘している。
 いっぽうでセーラ市長を推すのは自由前線党(PFL、立候補による市長辞任で自党副市長が昇格するため)、上下院の国対委員長や党事務局長の下議など。その主旨は、PSDB内で最も知名度が高い、決選投票で唯一人勝利する可能性がある、中央政治を熟知している、世論調査で否定率(不支持)が最も低いとしている。これに反対する理由として、市長職を投げる、これまでの四回の大選挙で一度しか勝利していない、大手企業家の不支持などがある。
 アウキミン州知事は一日、あくまでも党の決定を重視し、いずれかが選出されてもわだかまりはないと従来の立場を強調した。