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何不自由なく、なぜ娼婦?=中産階級の子女が奔放な生活

2006年3月3日(金)

 【エポカ誌一月三十日号】サンパウロ市内で中産階級の子女による高級娼婦が急増している。娼婦と言えば、生活苦や子供の養育費あるいは麻薬中毒などから意に反して体を売らざるを得ないという暗く悲惨なイメージがあるが、生活に何不自由ない子女らが何故進んでこの道に入るのか? 答えは「自由欲しさ」だという。
 娼婦になるまでの経緯には個人差があり、中には母親の金や貴金属を持ち出して麻薬に染まった例もあるが、大半は両親の厳しいしつけに反発して家を飛び出すケースが多い。いずれの場合も共通しているのは家族との対話がないことだ。マセイオー州の大富豪の娘がありきたりの生活に飽きて、サンパウロ市で娼婦となり自由奔放な生活を楽しんでいる。
 当局の調べによると、サンパウロ市内ではこれら子女で、大学卒の娼婦が二千人以上存在する。あっせん業者も急増し十五人以上となっている。高級ナイトクラブの部類のBAHAMAでは平均相場がショートで七〇〇レアル、最低でも三〇〇レアルは下らない。ここでは月平均二万レアルを稼ぐ売れっ子もいる。最低でも二十五歳の女性の平均月収の三倍の稼ぎになる。
 これが男性向ヌード雑誌のグラビアに登場すると値段はグンと跳ね上る。二十九歳の若い実業家はTVスポーツ番組のキャスターに六〇〇〇レアルを支払ったが、その後キャスターがプレイボーイ誌にヌードで登場したことで、値段は三倍になったという。F1レーサーが二万五〇〇〇レアルでクラブを貸切りとして、女性に一万六〇〇〇レアルを支払ったのは語り草となっている。
 一千人以上の客の相手をした二十五歳の娼婦はセックスの都度、オーガズムに達したとして、金とセックスをエンジョイすることが信条だと明かす。彼女らは流行の高級バイク(中には客がプレゼントしたのもある)を乗り回し、余暇にはショッピング、美容室、アカデミー通いをしている。いずれも三十歳を定年としており、それまでにマンションを購入、預金をして余生を恋人と過ごすという。(全ての娼婦は恋人がおり職業も明かしている)。
 気ままな生活を謳歌している彼女らだが、娼婦という後ろめたさと、将来への社会復帰に不安を抱いている。サンパウロ市のカトリック大学(PUC)にはこういう女性の相談が急増している。最も多いのが、職業から足を洗ったことを如何に恋人に信じて貰えるかで、次いで相手をした客とバッタリ逢った時の心構えについてだという。

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