2006年3月7日(火)
ブラジル日本都道府県人会連合会の臨時総会が三日、宮城県人会館で開かれ、執行部による定款改正案を審議した。会議は冒頭から反対意見が続出し、総会は四時間近くにおよんだ。委任状を含む四十四人の県人会長、県連顧問による投票の結果、執行部提案は一部を除き否決された。中でも焦点の一つだった会長任期の制限(二期)の撤廃は、賛成十七票に対して反対二十七票と大差での否決。この結果、現在二期目の中沢会長は今期限りで交替の見通しとなった。今後の焦点は次期執行部の人選に移ることになるが、昨年度フェスティバルの会計問題が解決していないことから、定期総会の開催時期は確定していない。
午後四時半の第二次召集。会議は冒頭から混迷の様相を見せていた。
執行部が最初に、尾西貞夫副会長を議長に推薦。これに対して、執行部案を審議する総会の議長が執行部から出ることに異議が上がった。反対者は県連顧問の羽田宗義元会長を推薦。挙手による採決で羽田顧問が議長に選出された。
まず、執行部案に対する意見発表が続いた。改正に反対する意見は主に、執行部が代表者会議の決定に添って定款改正検討委員会を設置せずに執行部案を提出した経緯を批判するもの。また、新民法に合わない部分があるとして「今後さらなる改正の必要が出てくる」と指摘する意見や、総会そのものが無効であるとする意見も出され、一時はあわや流会か、という展開となった。
中沢会長は、今回の執行部案提出に際して、法律専門家に相談して問題のないことを確認していると説明。この臨時総会は執行部案を審議するためのものとの考えを示した上で、「(定款の)不備な点はどんどん直していく努力が必要だと思う」と述べた。
両者の意見はかみ合わないまま時間が過ぎた。いつもの膠着した状態におちいり、いらだった出席者から審議を進めることを求める声が上がり、ようやく中沢会長からの改正案説明に移った。
執行部の改正案(カッコ内は改正後の内容)は、第六条(県連の法人正会員をサンパウロ市に事務所を置く県人会に限る、顧問の投票権を廃止する)と、それに伴う十三条の改正(総会を招集する権利を会長と正会員に限定する)、二十条(現行では二期四年の執行部役員任期制限の撤廃)、三十一条(役員補充は代表者会、総会での承認を必要とする)の四条に関するもの。
質疑応答の後、休憩をはさんで午後七時半から採決に入り、九人の委任状を含む四十四人の県人会代表、顧問が四項目一つずつに無記名で投票した。顧問、相談役、執行部から選出された採決要員により午後八時から開票。結果、三十一条以外の三項目で投票総数の三分の二以上の賛成が得られず、否決された。
六条は賛成二十四、反対二十、十三条は賛成二十五、反対十九と過半数の賛成を得たが、会長任期に関する二十条は反対が二十九票(賛成十七)という大差での否決。これにより、現在二期目の中沢会長は今期限りで交替する見通しとなった。
閉会のあいさつに立った中沢会長は、執行部提案が否決されたことで「今後の運営が難しくなるかもしれない」と述べた。例年三月末に開かれている定期総会について「三月中に開きたいが、第八回フェスティバルの会計が未承認の状態では総会の招集が出せない」と語り、現時点で総会の期日が確定していないことを明らかにした。会長は「できるだけ速やかに解決し、次の役員が決まるよう努力していきたい」と話した。