2006年3月8日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】通貨政策委員会(COPOM)の定例会議が七日に始まり、八日には基本金利(SELIC)の引き下げが決定される見通しとなっている。金融界では一・〇ポイントの引き下げを期待する向きもあるが、大勢は〇・七五ポイント引き下げの見方が強まっている。
その原因としてドル安気運での輸入増加による一般商品の物価の下落、および経済不況下での工業製品の値上げ抑制などによる消費者物価指数の低下で、インフレが抑制されていることが挙げられている。
中銀の金利政策はひたすらにインフレ抑制を目的としており、ここにきてインフレがある程度の目途がついたところで高金利を維持する名目が失せたというのが大方の意見だ。これによりこれまでの小幅切り下げとは打って変わり〇・七五ポイントというドラスチックな切り下げになると予想されている。こうなると現行の年利一七・二五%から一六・五%へと移行する。
しかし、SELICの動向が注目される中で、金融アナリストらは、SELICが一般消費者に反映されず一人歩きを続けていると指摘している。SELICは昨年八月の時点の一九・七五%から一月の最後のCOPOMで調整された一七・二五%まで二・五ポイント引き下げられた。これは一二・六五%の金利引き下げに相当する。
しかるにこの期間、シェッケ・エスペシャルの年利は一五七・一八%から一五七・七六%(〇・三七%高)、商店の月賦は一〇三・九七%から一〇四・六六%(〇・六六%高)、銀行の個人貸付は九四・九三%から九五・六%(〇・七一%高)となり、消費者あるいは利用者は何らの恩典に属していない。
この原因として融資やクレジットの需要増と債権不履行の増加が挙げられているが、アナリストらは身勝手な行為だとして金融政策での取締りを求めている。
中には金利の引き下げを実施したのもあるが、SELICの利率とはほど遠いものとなっている。クレジットカードは二二四・二七%から二二二・一六%(〇・九四%減)、CPC(自動車月賦)は五一・九九%から五一・一一%(一・六九%減)、金融機関の個人貸付は二八〇・九二%から二七四・四三%(二・三一%減)へといずれもスズメの涙程度の低下となった。