2006年3月10日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】漸新なデザインで世界の水着界をリードしているブラジルの繊維業界は、ビキニでホットな商戦を展開している。ビキニ誕生六十周年を機に各社は夢のビキニと名打って新製品の発表を企画している。
ビキニは一九四六年六月に製造が開始されたライクラにともないフランスのデザイナーが発案した。これまでの重くて厚い繊維の布地に代わり、軽くて強靱なライクラだからこそ製造が可能となった。発表当初はイタリア、スペイン、ポルトガルのカトリック教会が反発を示し、販売禁止を提唱したものの時流に逆えず反対は下火となった。
世界的にブームを巻き起こしたのは一九五七年、ハリウッドスターのブリジッド・バルドーが映画にビキニスタイルで登場したことによる。ブラジルでは五〇年代にお目見得したが、リオの海岸でポピュラーとなったのは六〇年代になってから。その背景には当時のトップスターのレイラ・ディニスが身重の体にビキニを着けた写真が公開されたことで、女性自由化のシンボルと称賛されてブームとなった。
サンパウロ市で六日から開催される国際繊維フェアーで、ライクラの製造元は、これまでの十倍の強度の改良品を紹介するとともに、世界各国のデザイナーによる新製品を発表する。これに負けじと他のメーカーも独自のデザインで新製品をアピールして熱い商戦を展開する。