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パロッシ元市長の不正を立件=ビンゴCPI=地元連警署長が証言=不正関与の証拠を提出=清掃委託業者と巧妙に癒着

2006年3月11日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】連邦警察リベイロン・プレット署のヴァレンシゼ署長は九日、パロッシ財務相の市長時代における不正関与を立件できるとビンゴCPI(議会調査委員会)で証言した。同市と下請け企業レオンレオン社が交わした契約書により、公金横領と公文書偽造、犯罪組織の構築で財務相の不正関与を告発した。財務相の元側近で副市長と同下請け企業の副社長を務めたブラッチ氏の証言と、不正活動の組織図を添付した公文書を提出する用意があると署長は述べた。不正のシステムでは、多数の共犯者が市行政内へ巧妙に潜り込み不審感を抱かれないように細工をしていた。
 ルーラ大統領が再選へ向けて支持率を伸ばす中、新たな告発攻勢が始まりそうだ。パロッシ財務相を起訴するなら、不正関与を立件する証拠を六十日以内に提出できると、連警のヴァレンシゼ署長がビンゴCPIで証言した。労働者党(PT)の政治活動の資金捻出目的で張り巡らされた同市政内の不正取引組織図も公表するという。
 犯罪組織が当局の権限をかさに編み出した巧妙な手口は、市長や市長側近も憶測できなかったと同署長は述べた。同CPIの上程者アウヴェス上議は、同件の最終段階で再度、財務相の召喚を行うという。
 財務相の責任に関する審理は周到になるが、微妙な立場へ追い込まれそうだ。財務相起訴の申請は、審理の最終結論が出てから決定すると同上議はいう。署長の証言は元市長と想定したもので、財務相としてではない。ビンゴCPI内にもPT代表がおり、表現の揚げ足を狙っている。
 財務相の起訴は閣僚特権により、最高裁の許可がないとできない。財務相が市長を務めた二〇〇〇年から二〇〇二年までに、レオンレオン社は毎月五万レアルの謝礼金を市長に渡し、PTの裏金帳簿へ計上した。同社は前以って、市から清掃下請け契約の落札価格を知らされていた。低額で落札して水増し契約を行い、差額四〇万レアルを毎月PTへ納める仕組みであった。
 三対一システムは、市の公共サービスの三分の二へ伝票を偽造した。市街清掃人は年末だけ全域を清掃し、日頃は一部のみを清掃していた。不正活動の規模と範囲からみて市長側近や幹部のみでは権限が及ばないことから、市長自身の関与あっての犯罪行為と署長は判断した。
 レオンレオン社はリベイロン・プレット市で現在もPT政治資金の徴収窓口として活躍している。ごみ回収と市街清掃で水増し請求も行っている。同グループは次々、同市の下請けサービスを落札している。同市の不正入札に関する提訴書類は、裁判所で埃をかぶっている。
 PT所属の上議は九日、ヴァレンシゼ署長のCPI証言を無効とする手続きを行った。リベイロン・プレット市で事業家の息子が誘拐される事件が発生し、拉致容疑者を拷問したことで同署長は責任を問われていたとPT上議が告発した。署長は拷問に関する告発を否定した。