大統領の英国訪問終わる=目新しい協定・成果なし=英女王の歓待にただ一人感激
2006年3月11日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】三日間の日程で英国を公式訪問していたルーラ大統領は最終日の九日、同国首相官邸でブレア首相とともに共同声明を発表した。共同声明では世界貿易機構(WTO)での農産物輸入枠や規制を協議するドーハラウンドがこう着状態にあることを受けて、グローバルな視野に立って早期解決に臨むとの両国の立場を強調した。
今回のルーラ大統領の訪問は、これといった案件がないため儀礼的訪問の感が強く、このため両国間での目新しい協定や合意は議論されなかった。共同声明も内容の薄いものとなった。
この中でルーラ大統領は、世界とくに先進国が農業物の市場解放をする見返りにブラジルは工業、サービス部門の外資参入に門戸を開放するにやぶさかではないと言及した。農業分野は開発途上国が糧としている分野であり、先進国は農家への補助金制度を廃止して輸入することで世界経済に貢献すべきだと強調したその上で、農業の占める割合は英国で二・八%、フランスで一%、ブラジルは二五%、アフリカでは七〇%以上に達しているとして、その重要性を説いた。
ブレア首相も賛同の意を表し、EU諸国に呼びかけ首脳会談を実現させたいとの意向を示した。ブレア首相はブラジルの経済成長を賞賛した中で、とくにIMFの債務一括返済は画期的なものだと指摘、国連安保理の常任理事国入りを支援するとの態度を表明した。
同首相はルーラ大統領との会談で、昨年七月にロンドン警察のスコットランドヤードがブラジル人をテロ犯人と誤り射殺した誤射事件に対し謝罪するとともに、責任の所在を突き止めることを約束した。また家族に対しても遺憾の意を表明した。
ルーラ大統領は今回の訪問で政治、経済的に成果は挙げなかったものの、英女王のバッキンガム宮殿での歓待に感激、これまでの世界各国歴訪の中で「最高のもてなし」だったと感ひとしお。こういう国が他にあればすぐにでも行きたいとの冗談も飛び出した。同宮殿では守衛、使用人はては運転手にまで礼を述べたという。