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疑惑議員の息かかる=指名人物、まだ政府機関要職に

2006年3月14日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】裏金疑惑の告発から八カ月が経過、三つの議会調査委員会(CPI)の調査、政府関係者二十八人の辞職と政界が汚職スキャンダルにまみれる中、連邦政府機関の要職には、汚職を告発された議員らの指名した人物が引き続き就いていることが、エスタード紙の調査で明らかとなった。
 同紙は最近二カ月間、議員、ロビイスト、企業家などにインタビューを行い、連邦政府機関や公社の最重要ポストと考えられる二〇ポストを調査。その結果、議員権をはく奪されたジルセウ元下議(労働者党=PT)や、はく奪を逃れるために議員辞職したネット元自由党(PL)総裁、現在はく奪を倫理委員会で審議されているジャネーネ下議(進歩党=PP)の指名した人物が、ペトロブラス、輸送インフラ局、空港インフラ業務公社などの要職に就いていたことが確認された。ペトロブラスの首脳部は、政治危機発生後ほとんど入れ替わっていないという。
 政府機関の要職を議員が傘下に収めることは、一九八〇年代のサルネイ政権以降続いてきたやり方で、汚職の元凶と議会でも認識されている。汚職を追及している郵便局CPIは、政治家の行政への介入を減らす方策や、現在約二万二千ポストと推定される連邦政府機関の要職の大幅削減といった対策を最終報告書に盛り込む考えだ。
 また、ポスト就任に必要な技術的基準を法律で定めることや、任命を一任する議会の特別委員会の設置も検討されているが、それには憲法改正も必要で、政治家の要職への影響力を抑えることは今後も困難と一部議員はみている。