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 ラモス移住地は〃長寿〃村=エポカ誌 紹介=高齢者割合=国内平均の194%=適度の労働の継続=日本から持ち込んだ食生活

2006年3月14日(火)

 エポカ誌が三月十三日号で、「百歳をどう超えるか」と題した十八ページの特集記事を組み、健康長寿の秘訣などを伝授している。国内の〃長寿村〃の一つとして、和梨の産地で有名なラモス移住地(サンタ・カタリーナ州フレイ・ロジェリオ市)が紹介されている。長寿の理由は、日本から持ち込んだ食生活のようだ。
 ブラジル人の平均寿命は約七十二歳(二〇〇四年)。四〇年(約四十六歳)に比較して二十六歳伸びた。同誌は平均寿命が長く、人口に占める高齢者の割合が高い、国内四市町村を〃長寿村〃として取り上げ、その秘訣を探った。
 〃長寿村〃に選ばれたのは、コリーナス(RS)、サンカエターノ・ド・スル(SP)、アウフェナス(MG)、フレイ・ロジェリオ(SC)。それぞれ、労働の継続、運動、社会生活の維持、健康的な食生活が長生きのこつであるとされている。
 フレイ・ロジェリオは、ラモス移住地がある町。三百四十八人(移住地)のうち、高齢者数が五十二人。人口に占める高齢者の割合は、国内平均の一九四%に達する。
 日本の平均寿命は八十一歳で長寿国の一つだ。記事は同移住地の長寿の理由を、遺伝的な要素を含めて、母国との生活スタイルと関連付け。
 「ほかの東洋系コミュニティと異なるのは、海岸から二百五十キロも離れているのに、日本の食生活を厳格に維持している」と記述されている。
 「ここに着いた時は泣きました。だって川魚を食べることが出来なかった。川魚は粘土の味と匂いがするのよ」と、漁師の子である小川マリコさん(72)。戦争や被爆の恐怖から逃れるためにブラジルに移住した。
 同移住地で、日本の伝統的な食生活が維持できるようになったのは技術のおかげ。冷凍した魚介類を大量に注文し、保存することができる。
 小川家の食事は、マリコさんのお気に入り。マリコさん自身が、農園から野菜をとり、食卓にのせる。「バタタだけは植えていないの。だって、菜園に農薬を撒く必要があるから」。
 販売目的に一家が栽培している椎茸もメニューに入っている。主人の小川和巳さん(76)は「茸類は、水と光だけあったら育つ」と話す。カルネ・モイーダ、天ぷら、緑茶、和梨を持参した訪問客がくるという。
 老人科医のモリグチ(森口)エミリオ氏(PUC)は「人間の遺伝子は何世紀もかけて、生活習慣に適合する。六万年の間に、アジアの国の住民は果物と穀物、魚介類を食べるようになった」と分析。
 その上で「しかしながら、今日は事情が変わった。いすに座って体を動かさないし、肉や加工品をたくさん摂取しています」と語っている。