2006年3月16日(木)
日系造形作家による「人文研資金カンパ展」のイナウグラソンが十四日、ブラジル日系美術館で始まった。文協美術委員会とブラジルを知る会が協賛。サンパウロ人文科学研究所(人文研)の支援を目的とした今回のカンパ展には、故人を含み、現在も活躍するアーチスト四十人の作品が出品されている。十四日のイナウグラソンには百人以上が来場。西林万寿夫総領事夫妻も訪れるなど、盛況を見せた。展覧会は十九日まで開かれる。
日系アーチストの作品が一堂に会したこのたびの展覧会。会場には絵画や版画、陶芸などの作品が並ぶ。現役で活躍する作家だけでなく、半田知雄、間部学、沖中正男など故人の作品も販売されている。売上の半分が人文研に寄付される。
気になる作品の値段は、三百レアルから一万二千レアルまで様々。初日は百人以上が来場、出品者本人の姿も多く見られた。訪れた人たちは、丹念に個々の作品を見つめていた。この日は十四点が販売された。
会場には西林総領事夫妻や、半田知雄、高岡由也など聖美会時代の日系画家と交流の深かった安田ファビオ元商工大臣の姿もあった。「(出品者の)皆さんのお名前は知っていましたが、初めて作品を見る人もいました」という西林総領事。展覧会について「大家の作品が並ぶ機会。いいものだと思います」と話していた。
十数年前には八年連続で開かれていたという、日系作家によるカンパ展。人文研の宮尾進顧問は「アーチストの皆さんにとってもいい機会だと思う」と話すとともに「五〇%も寄付してもらえるのはありがたいこと」と感謝の気持ちを語っていた。
にぎわう会場。世話人の一人、若林和男さんは「僕たちの力ではなく、人文研の仕事への評価。そこに少し力添えできたという気持ちです」とうれしそうな様子を見せる。また「これを機会に、隔年くらいで日系の造形美術作家による展覧会を開けたら、人文研やコロニア、アーチストにとってもいい将来像が開けると思う」と期待を表わした。
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人文研資金カンパ展はブラジル日系美術館(文協ビル二階)で十九日まで開催(午前九時から午後五時)。
問い合わせは人文研(電話3277・8616)。