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大規模密輸組織を摘発=外国大使館員ら22人も関与

2006年3月17日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】連邦警察と国税庁はブラジリアで十日、複数の外国大使館員や政府高官が加担した大がかりなブラジル人密輸組織を摘発した。このうち主犯格を含む六人のブラジル人一味が逮捕されたが、これ以外に二十二人の外国大使や外交官が連座していることが判明した。しかしこれらは外交官特権により、ブラジルの法律では裁くことができないため、連警は外交ルートを通じて各国当局に告発し、自国での刑事裁判を要請した。
 連警と国税庁は共同で一年前から内偵を続け、一味が過去三年間に三〇〇万レアルに上る利益をあげたことを立件した。密輸品はウイスキー、化粧品、ハンドバッグなどのブランド品、サングラスなどで、一味のアジトで同日、数百箱のウイスキー、三百個のフランス製化粧品、ヨーロッパ製高級バッグや衣料品を押収した。
 調べによると、これらは大使館が持ち込んだもので、これを横流しして正規輸入品に見せかけた偽造書類を発行していた。加担していた大使館はアンゴラ、ガボン、コンゴ、セネガル、シリア、イラクの六カ国で、総計五〇万ドルに上る不当な利益をあげていた。
 ウイスキーは八ドルから九ドルで一味に渡され、それを五〇レアルから六〇レアルで売りさばいていた。アンゴラの大使館は、毎月九〇〇リットルに相当する九〇〇〇リットルをこれまでに持ち込んでいた。最大の顧客はアメリカ大使館で、毎月八〇リットルから九〇リットルを購入していた。
 さらに連警ではブラジルの国会議員や政府高官、財界などの著名人の顧客リストを入手、故買の容疑でこれら全ての人物に事情聴取を行う。また空港のフリータックス店もリストにあり、商法違反で取調べを行うとしている。