2006年3月21日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】パロッシ財務相がブラジリア市に所有する邸宅の管理人の証言により、同相の辞任を要求する声が強まり、にわかに身辺が慌ただしくなっている。
そうした中でサンパウロ州検察局は十七日、同相がリベイロン・プレット市長だった二〇〇二年に不正工事を発注したかどで同相を告発、公務追放と不正金額の賠償を求めて起訴した。検察によると同相は市長時代、個人が建設した団地のために公道に陸橋を架けて便宜を計らい、しかも公共事業にもかかわらず、入札手続を取らなかったとしている。これにより公的資金の不正流用に該当するため、業者に支払った三〇万レアル強を公庫に賠償するよう求めている。
邸宅管理人の証言で野党側から一気に辞任の声が高まり、ビンゴCPI(議会調査委員会)も色めき立った。最高裁がCPI調査を阻止したことで一段落したかに見えたが、サンパウロ州検察の動きで罷免運動が再燃するとみられている。
これに対しルーラ大統領は十七日、訪問先のサンタ・カタリーナ州で遊説中に、「パロッシ財務相には(政策面で)多大な借りがある」と述べ、辞任は絶対にあり得ないと繰返し強調した。「たとえ彼が辞表を提出しても受理しない」とも言い切った。これに追随しバストス法相も、邸宅管理人が証言したように、財務相が邸宅でリベイロン・プレト市長時代の側近らと現金の授受や娼婦を交えた乱痴気パーティについて、連警による捜査はあり得ないと言明した。
しかしいっぽうで、大統領側近筋では財務相の度重なるスキャンダルで辞職は止むを得ないとの見方が強まっている。ただ、詰め腹を切っての辞任ではなく、何とか三十一日までは在職させることで工作している動きがある。財務相が選挙戦に出馬することで、選挙法で定める公職辞職という大議名文を全面に押し出そうというもの。
政府およびPTは、折角国民が国会スキャンダルを忘れてくれた今、財務相のスキャンダルで選挙での野党の攻撃材料にされたくないとの願望がこめられている。