2006年3月22日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】連邦警察は二十日、邸宅の管理人フランセニウドさんの銀行口座が無断開示されたことで事件は犯罪となったとして、捜査に直接乗り出すことを明らかにした。管理人は、パロッシ財務相自身が邸宅を訪れたのを実際に見たとビンゴCPI(議会調査委員会)で証言したため、二万五〇〇〇レアルの謝礼を貰い、連邦貯蓄銀行へ預金した疑いが持たれている。一方、野党は管理人が連警で供述している間に、連警自身が口座の無断開示を行ったと告発。同行も、どのような方法で口座の無断開示を行ったか監査企業の介入で手順解明に入った。
口座の無断開示が行われたのは、連警で管理人の事情聴取が終わる二分前だった。連警は本人の目の前で管理人の銀行カードのコピーをとり、暗証番号は一切知らないという。管理人が重要参考人として連警の保護下に入るため、管理人自身がカードを身元証明のため提示したと連警はいう。
連邦貯蓄銀行にあった預金は、ピアウイ州で小さなバス会社を営む実父が管理人に認知訴訟を断念することを交換条件に、家屋を購入するよう贈与したものという。
雑誌エポカは、管理人が三万八〇〇〇レアルのポウパンサ(貯蓄預金)を持っていると報道した。管理人の弁護士は検察庁の指導で、連邦貯蓄銀行と中央銀行の口座開示に関与した人物と、雑誌エポカへ銀行明細を手渡した経緯の報告を求めた。エポカの報道は、管理人が私生児であることを公表し、プライバシーの侵害に当たると弁護士は抗議した。
口座の無断開示は最高裁長官や選挙高等裁、ブラジル弁護士会(OAB)が、「憲政への挑戦」「マフィア的行為」と一斉に反応した。フィナンシアル・タイムズは財務相のCPIにおける証言が偽証ならば、辞任は時間の問題と見ている。野党は財務相の古典経済学踏襲を容認したが、経済政策が起こしたリスクには異議があった。それが選挙を間近にして、攻撃のタネになったという。
与党と野党の間で目には目の報復戦となった。与党が管理人の口座開示を求めたのに対し、野党はルーラ大統領の子息ファビオ氏とSebraeのオカモト総裁の口座開示を過去五年間に遡って求めた。これで本丸への攻撃が仕掛けられると野党は考えている。
ビンゴCPIにおける管理人の供述を中止させた最高裁は再度、CPIの再開要請を拒絶した。供述の中止は権利保障の適用を認めたもので、国家の利益抵触に当たらないとしている。邸宅に通った財務相らしき人物について、本人を証明する証拠の提示が必要らしい。
しかし、財務相の包囲網が縮小していることは事実。財務相の信用は、大統領による懸命の援護にもかかわらず、沈み行く太陽のようだ。三月三十一日には次期選挙に立候補する他の閣僚とともに閣外へ去る予定だが、サンパウロ州検察局が逮捕状を手にサンパウロ州到着を待っているのではないかと、大統領が心配している。閣外へ去れば、閣僚特権はなくなり丸腰になるから。