2006年3月23日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】サンパウロ州内の刑務所や警察署の拘置所での暴動が今年に入り急増し、二十日までに昨年一年間の発生回数に並ぶ異常事態となっている。昨年発生した暴動は二十七件で、今年はこれまで同数となっており、このまま推移すると年間で過去最高を突破するとみられている。
とくに二十一日までの二十四時間で二カ所の刑務所と三カ所の未決囚刑務所で、服役囚五千五十五人が連座した大掛りな暴動が発生、職員や看守など五十五人が拉致されて人質となった。うち囚人も合わせて十九人が負傷したが幸い命に別条はなかった。
これに対しアウキミンサンパウロ州知事は、囚人らの暴動による要求事項は不法なもので「一歩たりとも譲歩しない」と言明、暴動には軍警の機動部隊を導入して武力を行使してでも制圧にあたるとの強硬姿勢を示している。イペロー市刑務所で二十日に発生した暴動では機動隊が突入して鎮圧したことで強攻策は実証された。
また暴動の張本人は犯罪組織の州都第一コマンド(PCC)で、ほとんどが脱走に失敗した腹いせと、脱走に対する当局の取調べを錯乱させるのが目的だと指摘、首謀者や扇動者は警固な刑務所に移送して懲罰に付すとしている。
過去二十四時間内で暴動の第一号は前出のイペロー刑務所で千二百人の囚人が決起、人質二十二人を拉致したが武力行使で十九時間後に鎮圧された。
その直後、フランコ・ダ・ロッシャ市刑務所で暴動が発生し、これも機動隊が制圧した。首謀者のPCCは、「イペロー市刑務所の兄弟に同調」しての暴動だとしているが、当局では脱走に失敗したグループが扇動したとみている。
さらに時を同じくしてモジ・ダス・クルゼス市とマウアミ市未決刑務所でも暴動が発生した。サンパウロ州プレジデンテ・プルデンテ市、サンジョゼ・ド・リオプレット市、カイウアー市の刑務所でも呼応するかの如く、暴動が飛び火して、サンパウロ州刑務所管理局はてんてこ舞いの一日だった。