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人文研=カンパ展売上げ五万レ=寄付は「人文研叢書」に

2006年3月25日(土)

 【既報関連】ブラジル日系美術館で開かれた人文研資金カンパ展の売上げが五万レアル以上に上ったことが、このほど分かった。
 同カンパ展は、サンパウロ人文科学研究所(人文研)の運営資金カンパのために、十四日から十九日まで実施されたもの。故人を含む日系造形作家四十人の作品百三十点が展示即売された。
 人文研の発表によれば、六日間の開催中に販売された作品は三十三点。売上げは約五万二千レアルに上った。売上げの五〇%が寄付される。
 宮尾進人文研顧問は「良い成績だったと思う。非常にありがたい」と感想を話し、今回の寄付金を人文研が日本移民百周年を記念して実施している「人文研叢書」出版事業にあてる考えを示した。現在、日系文学運動についての書物を上下巻で刊行する準備が進んでいるという。「無駄遣いはしませんよ」と同顧問。
 十数年ぶりに開催された人文研カンパ展は、ひとまず成功に終わった様子。今後は二年程度の間隔で実施する話も出ているようだ。
 今回の展覧会では、会場で出品者の紹介がないことに対する指摘の声があった。宮尾顧問もこうした意見があったことに触れ、「長い間やっていなかったから、若いアーチストがどういう人か知らない人もいた。今回は間に合わなかったが、今後はそういう準備も進めたい」と話した。