戦後移民も一九五六年以前の渡航者は、ブラジル生活五十年以上となる。その間、一つの仕事だけで、家族の生計を立ててきた人は極めて少ない。その仕事が、始めから今まで大好きだとしたら、その人は類い無く恵まれている。
現在、そんな一人が、サンパウロ市内で絵画個展を開いている。中嶋岩雄さん。サンパウロ美術協会の数少ない日系会員。個展は、協会六十四周年記念日に開幕、という栄誉。
「中嶋さんだけの絵の世界」にはファンが多い。今回の展覧会では、五六年から〇六年までの、作風の変化を見せる。数多くの公募展で受賞した思いで深い作品群でもある。「五十年、キミは何をやったか、に応えたイベントだ」と本人は言う。会場はコンセリエイロ・クリスピニアーノ街53、13階。三十一日まで午前九時半~午後八時。 (神)
06/03/28