2006年3月29日(水)
サンパウロ州ヴァレ・ド・パライーバ地方では年々、従来の乳牛飼育から山羊と綿羊への転向者が増えている。同地方はかつて州内第二の牛乳生産地帯であった。しかし、乳製品会社の牛乳の質に対する要求が厳しくなり、高額な設備投資を求められ乳牛が敬遠された。自然条件から山羊や綿羊の方が、小面積牧場の有効利用で適しているという考えに変わった。ピンダ市には山羊綿羊飼育者協会が設立され、情報交換が行われている。山羊の飼育は搾乳と干し肉の多角経営ができることで、牛乳一本槍の経営難から免れるという見方だ。
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淡水魚の養殖が量産化され、輸出産業へ育っている。養殖業者はアマゾン川のピラルクを試験養殖したところ、成長速度と肉質に優る上、二千平方メートルの養殖場で年間三トンの漁獲量があり有望視されている。モコカ地方の養殖試験場では、ピラルクが二年間で体長一メートルに成長した。体重では年間十キロの成長振りで、これまでの魚類年間一キロより格段に有利である。正肉の取れる率は五七%、味は軽くペスカードの代替魚になるとみている。加工会社の買取価格がキロ当たり二〇レアル、同養殖場で年間四万レアルの売上が期待される。消費者には骨の少ないのが魅力。同試験場では、ピラルクの孵化と稚魚の販売に取組む予定。アマゾン川ではピラルクが絶滅種に指定され捕獲は禁止。
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馬肉輸出でEUは、ブラジルの馬肉廃棄物管理が不十分であると輸入禁止の可能性を示唆した。ブラジルで馬肉輸出を営むのは、ミラマール(RS)とポマール(MG)、キング・ミート(PR)、レイ・ド・ガード(PR)の四社。EUが輸入を禁止すると多くの国々が右へ倣い、一斉に輸入を中止する傾向がある。ブラジルでは馬肉の消費がないので、処分が出来ず打撃である。主な輸入国はベルギー(九〇〇万ドル)とフランス(九〇〇万ドル)、オランダ(七〇〇万ドル)、イタリア(六〇〇万ドル)、日本(五〇〇万ドル)の順。日本以外は飼料用に使う。