2006年3月31日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】生物学や医学の実験用としてモルモットは一世紀以上も使用されてきたが、過去五年間で需要が急増し、一大産業にのし上がってきている。
アメリカの調査機関によると、全世界で使用されるモルモットは九〇〇〇万匹に達している。実にブラジル人口の半数に相当する。さらに科学の日進月歩により引く手あまたで、年間二〇%以上の伸びが予想されている。
例えば米国のジョンス・ホプキンス医科大学では九九年に四万二〇〇〇匹のモルモットを使用したが、昨年は一〇万匹となった。これらは必要経費として連邦保健省の予算でまかなわれる。男性の勃起促進剤として一躍名を馳せたバイアグラは同大学の実験室で発見された。このほか糖尿病、アルツハイマー病、幾種類のガンの実験に欠かせないものとなっている。親のDNAがそのまま子に遺伝するため、長期の実験を継続可能にしている。
全世界に年間二三〇万匹のモルモットを販売している米国のジャクソン・ラボによると事業として採算性が高いという。通常のモルモットは一匹当り十一ドル(二四レアル相当)だが、アルツハイマー病用は雄雌一対で六〇〇ドル(一三〇〇レアル相当)になる。さらにモルモットは生後から死ぬまでの期間が二年半と周期が早いため回転が良いという。