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会場二分する応援合戦=カンポ・グランデ=現地百周年協会に弾み=盛況のフットサル日伯戦

2006年3月31日(金)

 【既報関連】二十九日夜八時から南マット・グロッソ州都カンポ・グランデで行われたフットサルの日伯代表戦で、日本勢は1―2と惜敗したが、地元日系人が詰めかけ、満員の会場を二分する応援を繰り広げた。今回の試合は、同州日本移民百周年実行委員会(中馬パウロ会長)の最初の事業。二世ら後継世代にバトンタッチを終えた当地日系団体では、〇八年に向けて老人の家を建設するアイデアも出ており、今回の収益を得て活動に弾みがつきそうだ。
 フットサル日伯対抗戦の一試合目はアクレ州リオ・ブランコで二十六日に行われ、日本は1―8で大敗。二試合目の今回は徹底的に防御を固め、カウンター攻撃を繰り広げた。
 会場となったグアナンジゾン体育館は八千人近い観衆で埋まり、中馬会長によれば日伯の応援は「半々だった」という。「立錐(りっすい)の余地もないぐらいだった」と応援に参じた同地在住の勝連ひろしさんは語った。
 「ブラジルはてこずったが日本に勝った」との見出しでUOLサイトのスポーツニュースは報じた。「日本はマークを強めた結果、ブラジルはミスを誘発させられ、点差は肉薄したものとなった」と同紙。前半にレッコ、ファウコンが一点ずつ決めた。
 後半は日本代表のセルジオ・サッポ監督(ブラジル人)はさらに防御を固めるように指示、カウンター攻撃にかけた。地元コレイオ・ド・エスタード紙は「後半、日本はマークを強め、攻撃に転じて一点を入れ、ブラジルを凌駕した」と報じた。
 この試合は、同百周年委員会の働きかけにより誘致されたもの。中馬会長によれば、まだ金額は明らかではないが、経費を差し引いた大会収益は全額、同委員会に寄付されるという。同地にはブラジル・フットサル連盟役員がおり、その強い勧めで実現した。
 試合に先立って、二十八日晩に歓迎大夕食会が開催され、ネルシニョ・トラド市長ら約三百人が出席した。「ほとんどが日系人」(中馬会長)だったという。
 日伯の代表選手はみな、各テーブルに一人ずつ座り、地元住民と親しく語らった。中には一世の出席者もおり、まじかに日本選手に接して「感激した」(勝連さん)という。

「老人センター」計画も

 同州百周年実行委員会は、カンポ・グランデ日伯文化体育協会、同沖縄県人会、同野球協会、同日系研究者協会、同商工会議所、同州沖縄交流協会ら六団体により、昨年十一月に組織された。
 中馬会長は「百周年記念事業はまだ決まっていない」としながらも、アイデアとして「老人共生センター」建設が検討されていると明かした。同地文協敷地内に〇八年に完成させ、週末などに老人が集まって楽しく余暇を過ごす場所になるという。
 今回の大会利益を活性剤に、「サンパウロの式典にも、若者を中心とした踊りなどの代表団を送り込みたい」と百周年にかける意気込みを語った。
 最後に、日伯代表のどちらを応援したか尋ねると、中馬会長に「日本が大敗しないことを祈った」とお茶をにごし、笑った。
 日伯三連戦の最終戦は四月二日、サンタカタリーナ州ブルスケで開催される。