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国際交流基金=西田和正所長が着任=政府機関も百周年体制に

2006年3月31日(金)

 今月は政府機関代表者『総とりかえ』の年だ。先のジェトロ・サンパウロ所長、JICAサンパウロ支所に続き、国際交流基金サンパウロも新所長が赴任した。いよいよ日本側も百周年体制に入ったとも言えそうだ。
 二十四日に着任した基金の西田和正所長(57)は、昨年十二月五日から二月十七日までアラゴアス州マセイオ市のブラジル人民家にホームステイし、ポ語の研修に励んだ。「最初、まったく分からなくて苦労したけど楽しかった」。同基金でも赴任前に現地語習得の研修は初めての試み。
 ブラジルはまったく初めてで、以前はインドネシアに二度、合計九年赴任した。その時、戦後五十周年があり、特別なプロジェクトを行った経験がある。アセアン六カ国が誇る音楽家約四十人を日本に集めて、一週間練習した後、同六カ国を巡回演奏してあるいた。
 国際交流基金全体の予算は百億円あまり。削減傾向が強く、厳しい財政状態だという。世界に十九カ所ある拠点のうちでサンパウロ市は「中の上」程度の予算規模。最大はパリの日本文化センターで年間四~五億円の運営費用がかかる。サンパウロにもう一つ――という話は難しいようだ。
 「百周年は節目。今年中に企画を立てたい」との抱負を語った。来年、本部の予算承認をえるには今年中に立案提案する必要がある。
 その他、西田所長は「単発的な日本紹介ではなく、あとに残るような継続できる事業ができれば」と考えている。具体的には日本語教師への支援、研修などを積極的にやっていきたい、と語った。
 前任の吉井弘所長は二十四日、阿部尚久主幹も十五日に帰国した。