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コラム 樹海

 来る六月は、ドイツでサッカーW杯大会がある。最近、同大会の審判委員会が、主審試験を行ったが、その厳しさが興味深かった。公的団体の限られた人たちによる互選的な選挙は、この試験と同様の厳しさでもって行われれば、より強固な支持を得た首脳陣が構成されるのではないか、と考えてみたりした▼主審試験は、こうだ。委員会が課すのは、走力、視力などの体力テストと筆記試験。勿論、サッカーのルールを主とした専門的な知識が問われる。それと意思疎通をはかるための英語力だ▼面白いのは次である。試験に一応合格した主審は、三人の副審を指名するのである。委員会は副審に対しても、主審試験と同様な試験を課す。もし、三人のうち二人以上が委員会の求めるレベルに達していなければ、指名した主審の合格をも認めない。一蓮托生というのか、なんとも厳しいやり方である。審判団はチームワークがよくできており、しかも、全員が優れていなければならないのである▼わがコロニアの公的団体のシャッパ制役員選挙に一脈通じているところがあるが、試験と選挙ではおのずと違いはあるし、選挙は、会長と副会長の投票を分けてやるほどの手間はかけられないだろう。ただ、団体の首脳といわれる部分は、厳しく選ばれ、それぞれ呼吸が合い、連帯的責任を持ち合うのが理想的だとはいえる▼W杯では、審判団を厳しく選んでも、なお情実がからんだ判定が行われる。それが世のならい、人の営みなのだとは思う。(神)

06/03/31