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口座無断開示=法相は知っていた=野党、責任追及へ=前財務相が法相補佐官に指示=法相から大統領にも報告か

2006年4月4日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三日】野党の自由前線党(PFL)とブラジル民主社会党(PSDB)は二日、前財務相の辞任に至った管理人の口座無断開示は政府の作為であり、看過したバストス法相の責任を追求する意向であることを明らかにした。アレルイア下議(PFL)の談話によれば、法相の補佐官ゴウドベルグ氏は事件のあった十六日夜、連邦貯蓄銀行のマトーゾ前総裁と共に前財務相宅を訪問、不正疑惑に関与していたという。法相は前財務相の辞任一週間前、前財務相が無断開示の責任者であることをルーラ大統領に報告していた。労働者党(PT)は、法相に対する責任追求は予想していた。
 前財務相を陥落させた野党は、法相へ砲口を向けた。野党PFLとPSDB、社会大衆党(PPS)が、口座の無断開示は政府の教唆で行われたとして合流した。無断開示に関与した者は全員、汚職関与者であったと野党はいう。汚職隠ぺい工作で大統領の周辺に集合した者は全員、病毒感染者であると訴えた。
 連警の調べによれば、前財務相が法相補佐官二人を呼び出し、管理人の口座の無断開示を秘し、同人の犯罪関与を連警が捜査するよう指示したという。法相はルーラ政権に仕えて三年、刑事問題では野党に対しても寛大であった。しかし、口座の無断開示では故意に看過し、政府に加担したと野党は訴えた。
 PPSは二十九日、下院に法相を召喚し、看過についての説明を求める要請を行った。前財務相が指示した無断開示について、大統領は知っていたかどうか確かめるというのだ。事件が起きたのは三月十七日から二十七日の間、前財務相と大統領は目と鼻の先にいた。
 ビンゴCPI(議会調査委員会)は四日、マトーゾ前総裁のCPI召喚を表決する。同前総裁が無断開示の全てを知る男とみられている。前財務相のCPI召喚は、連警で事情聴取を行った後になる。
 前財務相辞任の一週間前、大統領は法相から直接、前財務相が無断開示の首謀者であると報告されたという。大統領は直接、前財務相に事の真相を確かめたところ関与を否定した。二十七日の閣議で再度、前財務相は関与を否定した。法相は同相の関与に関する証拠を持っていなかったが、法相の補佐官二人が前財務相の指示を明言した。
 経済担当のゴウドベルグ補佐官と法務担当アレンカール補佐官が三月十六日、前財務相宅へ呼び出されたのは事実だと認めた。そこで管理人が身分不相応な預金を持っていることについて、連警が調べるよう指示されたという。前財務相は、預金が管理人の証言に対する野党の謝礼であることを期待したようだ。
 前財務相による再々の関与否定にもかかわらず、法相は無断開示が同相の首謀とにらんだ。マトーゾ前総裁が二十七日、口座明細を自ら前財務相の手に渡したことを証言したため、前財務相の容疑はクロとなった。前財務相の経済政策面の功績を考慮し、大統領は同相の離任受理を一週間遅らせた。
 口座の無断開示劇では、マトーゾ前総裁またはマルセロ・ネット財務補佐官を「下郎の首」とし、前財務相を同件から放免する計画があった。しかし、二人とも同役を拒否した。