2006年4月4日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ブラジルが世界の先進国と堂々と肩を並べて一歩もひけをとらないものがある。税金の高課税率だ。
国際通貨基金(IMF)とカンピーナス大学(UNICAMP)のエコノミストらの発表によると、昨年にブラジル国民が支払った税金は七五四四億レアルに達した。これは国内総生産(GDP)の三八・九%に相当する。ルーラ政権に移行した二〇〇四年と〇五年に二年連続で史上最高となった。
その内訳は連邦税がGDP対比二六・六三%(五一五七億レアル)、州税が一〇・一三%(一九六二億レアル)、市税が二・一九%(四二四億レアル)となっている。連邦税では一般税(七・八四%)、社会福祉税(一五%)、老齢年金(一・六六%)、その他(二・一二%)で、州税は商品流通サービス税(ICMS、七・九二%)、自動車所有税(IPVA、〇・五四%)、その他(一・六八%)、市税は法人税(ISS、〇・七三%)、土地・家屋税(IPTU、〇・五二%)、その他(〇・九四%)と色分けされている。
税収では連邦税が全体の六八・四%、州税が二六%、市税が五・六%とそれぞれ占めている。これらの使用分布は連邦が五七・六%、州が二五・二%、市が一七・一%と振り分けられる。
世界各国との比較(GDP対比)では、発展途上国の平均が二七・四四%で、ブラジルは高率を示している。主な国ではチリが一八・七二%、アルゼンチンが二五・九三%、南アが二八・四八%、ロシアが三一・二二%、イスラエルが三八・九七%、クロアチアが四一・四七%。クロアチアなどは共産主義の名残で高率となっている。先進国(工業化が進んでいる二十一カ国)では平均が三八・〇八%で、ブラジルはそれよりも〇・一四%リードしている。
主な国は米国が二五・七七%、日本が二六・二八%。オーストラリアが三〇・六八%、スペインが三四・二三%、ドイツが三九・七六%、イタリアが四二・八二%、スイスが五一・三五%となっている。
スイスのほかヨーロッパ北部ではデンマーク(四九・八五%)、ベルギー(四六・八五%)、フランス(四五・〇四%)と、ブラジルよりはるかに高率だが、その代わり社会福祉や教育環境などが税金で賄われ、ブラジルのそれとは比にならないのが実態だ。ラテンアメリカ圏内の平均は一六%で、ブラジルの半分以下となっている、アジアでも同様で、例えばシンガポールでは一二・四九%で、ブラジルは足元にも及ばない。