県内の市町村が研修生を南米から招いてくれる沖縄県。昨年十二月、南風原町から招かれ訪沖した伊波リカルドさん(22)は、同町最後の研修生になった。〇五年度限りで予算が打ち切られたからである。南米在住県人とその子孫を身内のように考えている県内の各市町村も、厳しい財政削減の必要には抗し切れなかったのであろう。
研修生招待事業は、戦後の沖縄の混乱期に物心両面で支援してくれた海外移住者への恩返し、だった。八九年から始まった。南風原の実績は二十九人だった。
伊波さんは、三月半ばまで滞在、三線(さんしん)と空手を学んだ。日本人との考え方の違いを体験、家族のルーツを知ったのは大きな収穫だったと感謝し、帰国した。
そして、約束。「沖縄でお世話になった人たちをブラジルに招待して、お返ししたい」。(神)
06/04/04