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幽霊大学で通信教育実施=被害者6千人にも=サンパウロ州に実在の大学の名騙る=ミナス州

2006年4月5日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】ミナス・ジェライス州ゴベルナドール・ヴァダレス市で三日、実在するサンパウロ州の大学の名を騙り、通信教育を施していた一味が当局に摘発され、首謀者が逮捕された。
 被害者はこれまでに六千人に上るとみられ、当局は教育法違反、詐欺の疑いで追及する、また合格、在学、卒業などの各証明書は、大学のそれと全く同じものが印刷され発行されていることから、公文書偽造の罪にも問われている。
 いっぽうで首謀者は、口答で大学側の承諾を得ており、地域での学生募集の資格を与えられていたと供述していることから、大学側も関与している可能性があるとみて調べている。大学側は全く関知せず、そのような動きも知らなかったと否定し、通信教育も施していないとしている。しかし関係者の間では、近年とみに学校経営が芳しくなく、生徒数を実在より水増しして国の補助金の増額を図る事例が増えており、背後関係を徹底追及すべきだとの声が挙がっている。
 詐欺団一味はサンパウロ州内のグアルーリョス大学(UNG)とサンパウロ・メトロポリタン大学センター(UNIMESP)の名を騙り、現地紙に広告を掲載して通信教育部の学生を募集、入学試験を行っていた。その後月一回テストを実施していた。試験会場は市内の私立校の一室があてがわれた。
 テスト料のほか毎月三八〇レアルの授業料を徴収し、合格者には大学の証明書と全く同一の在学及び卒業証明書を発行していた。同市の公立校では大学在学証明があれば教職に就けるため、詐欺グループの発行した偽証明を所持する教師が多数実在する。
 事件が発覚したのは昨年十二月、たまたま一人の学生がグアルーリョス市に来て、登記所で学生証の署名認証(レコニェッセ・フィルマ)を受けようとしたためUNG大学に通報があった。不審に思った同大学が警察に告発した。同市警察は真相解明のため担当官をミナス州に派遣、内偵の末に一味をつき止めた。首謀者の女性は元公務員で現在は旅行代理店を経営、教育には無関係だった。