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コラム 樹海

 日本で沖縄県人女性の「県別長寿第一位」が危うくなっているという。もちろん食生活の変化のせいである。これは、とりもなおさず、母県の女性の食生活がブラジルでのそれに近くなっていることを意味する▼〇四年度における日本政府の「生活習慣病予防検診受診」の結果がこのほど発表され、沖縄県は、男性、女性とも肥満度第一位であることが分かった。これは、すぐに寿命の数値と関連する。男性は長寿日本一の座から降りて久しいが、女性は変わらず、長い間一位であった。しかし、肥満度最上位の現実の前に、那覇医師会は「女性も長寿一位から転落の危機」と警告したのであった▼サンパウロ州のリトラル地方の敬老会は、被招待者の年齢が高いので有名である。七十歳台は対象にしてもらえず、八十歳台にはいってようやく資格を得る。百歳近い人たちが、招待者席にずらりと並ぶ。このことが、敬老会主催者の自慢の一つでもあった▼お年寄りの圧倒的多数は沖縄県人の女性一世である。彼女らは、おおむね母県における旧来の食生活を踏襲しているとされる。痩身の人が多く、よく働く▼さて、こうした女性たちの子孫はどうなのか。つまり、ブラジル人となった沖縄県系の人たちの食生活である。ほかの人たちと差別はできず、祖母たちと同様とはいえないのが現実かと思われる。母県の女性たちが、当地と似てきた、というのは、この辺りをいっている▼ただ、筆者には「こうしよう」と改善を求める?ことができない。(神)

06/04/05