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前財務相と前総裁を対面へ=連警=違法開示指示者を追及=前総裁「指示は政府上層部から」=大統領は最悪の事態を覚悟

2006年4月7日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】連邦警察は五日、パロッシ前財務相と連邦貯蓄銀行(CEF)のマットーゾ前総裁を対面させ、誰が元管理人の銀行口座を違法開示させたか解明することにした。CEF前総裁は連警の事情聴取に対し、政府上層部から口座開示の指示があり、公邸で口座明細のコピーを財務相本人に渡したと供述したが、財務相の口から指示を受けたとは言わなかった。前財務相は前総裁から口座明細を受け取ったことを認めたが、開示の指示は否定した。連警は、違法開示を前財務相の教唆と見て捜査を進めている。情報漏洩は、前財務相の広報担当補佐官であったマルセロ・ネット氏の責任とみている。
 口座の違法開示を巡って指示はどこから出たのか、前財務相と前総裁を対審させることになった。前総裁は三月二十七日、政府内の指示と言明したが、前財務相の直接指示かどうか言及を避けた。指示が事実だとすれば、個人の口座とシステムの違法開示で、前財務相は二つの罪に抵触したことになる。
 これまでの捜査によれば、前財務相は大統領府会議の席上で三月十六日午後、前総裁に口座の違法開示を指示した。前総裁は同日夜、公邸へ赴き口座明細を渡した。前財務相は口座明細を受取り、三月二十日にシュレッターで処理した。明細の内容は、口外していないので証人はいない。明細は処理したので、証拠もない。
 前財務相は全ての召喚で事件への関与と指示を否認したが、大統領は最悪の事態を覚悟している。対審は、連警が公平な活動を社会に見せるチャンスでもある。対審に先立ち、両人の供述が単なる訴訟作戦か事実かの確認と、対面の期日を連警は検討している。
 法相をも巻き込みそうな形勢となり、大統領府は前財務相の出方に注目していた。法相が前財務相に引導を渡したことで、その懸念は遠のいたらしい。法相補佐官二人が前総裁と同日、前財務相公邸で鉢合わせとなったが、明細引渡しと開示には一切関知していないとする前財務相の供述で、二人は放免された。
 前財務相の訪問を受けた大統領親衛隊のフェリックス将軍は、同相との接触を認めた。訪問の趣旨は政府が理不尽な圧力を受けていること、前財務相が政府の全責任者であるかのような扱いを受けていることで、大統領と会って欲しいと相談にきたもの。要請ではなく相談であった。
 口座の違法開示では、次のような疑問が残る。誰が元管理人の口座明細を求めたのか。口座明細を処分したのであれば、雑誌エポカに掲載された口座明細は誰のものか。前総裁は違法開示が十七日に行われたと供述した。しかし、労働者党(PT)党員はそれ以前から違法開示を知っていた。誰がPT党員に開示を知らせたか。
 ゴウドベルグ法相補佐官は違法開示を関知していないというが、元管理人について連警で調べるよう要請するため、前財務相が公邸に呼んだのだ。元管理人が収入に不相応な預金を持っていることを、同補佐官は知っていたはず。法相補佐官と前財務相との接触を翌日、法相が知ったというのは不自然だ。ここまで事態が悪化したのに、なぜ法相は手をこまねいていたか。