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フェベンで連続暴動発生=62人負傷、機動隊が鎮圧=組織の抗争か、看守の虐待か

2006年4月7日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ市タトゥアペ区の少年更正施設(FEBEM)で四日から五日にかけて収容者らが二度にわたり暴動を起こし、六十二人が負傷する騒動が発生した。この施設は先月、大統領選に出馬するために辞任したアウキミン前サンパウロ州知事が就任時に廃止を決定、一部では取壊しが始まっていた。このため以前は定番となっていた暴動が鎮まっていたが、百三十四日ぶりに騒動がぶり返した。
 第一回目の暴動は四日午後十時半ごろ、十二棟と二十三棟の収容房で発生した。当局の発表によると、千二百二十八人の収容者のうち四百六十人が連座し、四十一人の職員と十六人の少年らが負傷した。さらに暴動で二十六人の職員が人質となったが、目立った負傷もせずに解放された。
 原因は調査中だが、所内での犯罪組織のライバル同士の抗争でケンカが発生し、それが暴動に拡大したとみられている。また、看守が懲役房の収容者に暴行を加えてことに反発して決起したとの説があるが、当局側では否定している。
 第二回目の暴動は第一回目が制圧された直後の午後、二〇棟で発生、九十人が寝具マットに火を放ち、屋根を破壊するなどの暴挙にでた。このため軍警機動隊が出動、ヘリによる空からの援助もあり、ゴム銃やガス弾で鎮圧した。この騒動で職員三人、収容者二人が軽傷を負った。
 暴徒らは騒動の原因を所内での看守らによる暴行傷害と非人道的扱いに抗議しての決起だとしていることで、収容者の母の会や人権擁護NGO団体がフェベン側に対し、一斉に抗議声明を発表した。三十一日に就任したレンボサンパウロ州知事はこれに反発、罪を犯した少年らが暴動などの違法行為を繰り返しているのに対し、人権擁護のみを全面に押し出すのは筋違いだとした上で、すべてを調査し、非難している団体と対峠するとの強硬姿勢を示している。
 フェベン側では同区の施設を廃止して市民公園とする意向だが、州内奥地の市が新設に反対しているため、計画が進展しないとボヤいている。