2006年4月7日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】サンパウロ市内での昨年度の殺人が二千五百七十六人と全国ばかりか世界一の件数となったにもかかわらず、殺人捜査課の統計によると過去五年間で最低を記録しているという。二〇〇〇年は五千三百二十七人が殺害され、〇五年はそれが二千五百七十六六人となり五二%相当の半減を見た。〇四年は三千四百四人と一年間で二四%の減少となった。
年間の推移は〇一年が五千百七十四人、〇二年が四千六百三十一人、〇三年が四千二百六十八人と年々減少する傾向を見せている。これを一日平均に換算すると、〇〇年から〇五年まで順に十四・六人、十四・二人、十二・七人、十一・七人、九・三人、七・一人と半減しているも世界各都市と比較すると高い数字となっている。
この減少の原因として当局は、殺人犯の検挙数の増加など警察の捜査強化を挙げている。〇一年での殺人犯逮捕はわずか三百六十八人だったが、〇四年は千四百三十七人となり検挙率は七七〇%上昇した。〇五年はわずかに減少し千百四十一人だった。この原因として年数を経過した殺人事件の捜査を一時打ち切りとし、最新の事件に捜査を集中させた成果だという。
これにより、古い事件との関わりも発見されて同時解決になる例が増えたとのこと。言い換えると一人の殺人犯が再犯したり複数の事件に関わりあっていることになる。同課では〇〇年から〇四年にかけて逮捕した殺人犯十三人が八十一件の殺人を繰り返したことを突き止めた。このほか検挙には警察署間の連携プレーが功を奏しているのと、裁判所承認のもとでの電話盗聴による捜査、さらに市民の通報や密告が大きな効果を挙げている。
また、殺人犯罪の半数が麻薬抗争によるもので、復讐や制裁が相次いで歯止めがきかなかったが、昨年末、その九〇%が事件解決したことで、再犯が防止されたことも犯罪減少の要因となっている。