民主党の代表に「豪腕」で鳴る小沢一郎氏が決まった。選挙は菅直人氏に47票もの差をつけての大勝だったけれども、これで党の再生ができるのかどうかの判断は難しい。新代表は「政権交代こそが真の構造改革だ」と訴えるが、今の民主党は右から左までの勢力が一緒になっており、政策の統一がなされていないのが実情と見ていい▼旧社会党と旧民社党は大きな力を持っているし、労組に依存する体質からも抜けきってはいない。前の衆院選で惨敗したのも、労組への気がね?から郵政民営化への対応をきちんと打ち出せなかったのが最大の原因であった。憲法や安全保障という最も基本的なものですら一本化はできていない。前原前代表は自民党が顔負けするほどの防衛論を展開し、鳩山元代表も9条を含めての改正に積極的な考えを明らかにしている▼ところが、旧社会党系は「左」的な見方しかできない。こうした党内の「寄り合い所帯」をいかにして統合しすっきりした姿にするか―である。政党である限り、政権を狙うのは当たり前だが、そのためには、先ず党の基本方針を決め、党員はこれに従うことが必要ではないか。小沢代表も、革新派とされるグループとも話し合いを進め民主党の土台をしっかりと確立すべきは云うまでもない。政権の座は、この第一幕が終わってからでも遅くはない▼小沢執行部は菅直人氏を代表代行に据え鳩山幹事長らの役員を再任し「挙党体制」を訴えているのはいい。が、「革新」と「保守」の対立としこりを取り除いた新しい民主党をはたして築けるのかが―これから問われる。 (遯)
06/04/11