2006年4月12日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】連邦警察は十日、パロッシ前財務相が邸宅に再々通ったとするコスタ元管理人の証言を再度調べることにした。証言の再調査は、連邦裁判所第十法廷のペッソーア裁判長により認められた。連警は同時に、バストス法相の取調べを見送る声明を発表した。野党の圧力を受けた法相は、前財務相公邸を訪ね、連邦警察の包囲網を逃れる方法を同相へ教えたことを明らかにした。法相の上院における釈明は、連邦貯蓄銀行(CEF)前総裁の喚問を先に行うとする野党の要求で妨げられた。法相は、大統領へ辞任の意向を伝えた。
野党は十日、証言の再調査は政府の報復行為であるとする声明を発表した。今回は裁判所から正式に元管理人の口座開示許可が出された。野党は既に違法開示された口座の開示許可は無効であると差し止めを要求した。これは、元管理人の行為に対する国民の判断をかく乱させる政府のマーケティング行為であると非難した。
財務相公邸で法相と前財務相、弁護士、法相補佐官二人、前財務相の広報担当補佐官は、違法開示した口座明細をはさんで何をたくらんだのか釈明する必要があるとジアス上議(ブラジル民主社会党=PSDB)は迫った。疑心暗鬼を抱かせる不審な行動と前財務相の救出作戦で指揮を採ることは、法相としてあるまじきこと。これだけの犯罪隠ぺいが行われているのに、知らぬ存ぜぬのルーラ大統領は一体何者なのかという。
証言再調査の許可は、口座の違法開示を担当している連警のゴーメス刑事が二十日前に申請していた。同刑事の見方では、捜査のポイントは前財務相とCEF前総裁であったが、違法開示一週間後の法相出現は意外であった。
違法開示から一週間後という時間は、法相の釈明が無効であることを意味する。事実把握の観点からは違法開示の経緯が重要で、前財務相の作戦援護は法相の出る幕ではない。財務相公邸で一同が集まった二十三日時点では、違法開示という犯罪が確定していた。法相が前財務相を訪れる理由は全くない。
連警にとって法相の行為は、政治的作為でしかない。違法開示が行われた十六日、法相は「証人の生命保護」会議の席上で報告を受けた。直後にゴーメス刑事は三つの許可申請を行った。一、CEFへの介入。二、職員による違法開示の手口の捜査。三、元管理人の口座明細と電話明細。しかし、CEFの積極的な協力で一と二は不要であった。
連警は元管理人の実父が贈与した資金について、誰が実父に渡し、誰が元管理人の口座に振り込んだか未確認であるという。連警が追う別の疑問は、誰が口座明細を外部に流したかだ。雑誌エポカに掲載される以前、多くの者が事実を知っていたのが不審だ。
前財務相の邸宅通いについて、リベイロン・プレット時代の側近、ブラッチ氏も同様の証言をした。リベイロン・プレット共和国と呼ばれる邸宅に、前財務相や同氏らが集まり、政府の委託契約やリベートについて話したという。財務相公邸で会うより邸宅のほうが打ち解けてロビー交渉はスムースに運ばれたと同氏はいった。