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BRICSはCIRBS=竜、象、熊に追い抜かれた猿

2006年4月12日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三月九日】ブラジルとロシア、インド、中国は、頭文字を取ってBRICSの鯨と呼ばれていた。先頭のブラジルが過去二十年、経済成長率でBRICSのしんがりばかりを走っているので、RICSとかCIRBSと呼ばれていると、マセード教授(USP)が苦言を呈した。
 ブラジルは過去二十五年間、経済成長率が平均で二・六%という恥ずかしいレベルで推移し、八〇年以前の半分以下である。BRICS諸国は同時期、ブラジルをしのぎ中国が一〇%、インドが六%、ロシアが世界銀行の統計で七%と高度成長を遂げた。
 ブラジルはBRICSの面汚しである。経済の国際分析からブラジルを除外するようになったのは、驚くに足りない。ブラジルを除いたRICSは、皮肉にも富裕国に準じる準先進国という意味に使われている。次々と後進国に抜かれるので、ブラジルは後塵を拝する後塵国扱いだ。
 エコノミスト紙は、各国を動物になぞらえた。中国は竜、インドは象、ロシアは熊。ブラジルには、おあつらえ向きの動物がないので猿にした。政府は不当であると同紙に抗議をしたが、ブラジルはロバかナマケモノか座礁した鯨になりそうだ。RICSのような激しさがないから。
 いかにして、この汚名を返上するか。この問題は、国民にも原因がある。大統領選挙は、ブラジルの愚鈍さを改善し、RICS並みの経済成長率へ引っ張って行く指導者を選ぶ良い機会といえそうだ。チリは九〇年以来、成長率六%を保っている。なぜ、ブラジルにできないか。
 わかりにくい財務調整や投資水準、ミクロ改革、有利な経済環境などと専門用語を使わず、誰にも理解でき、活力を覚醒させる言葉で国民を激励し、政治も刺激するべきではないか。国際経済はブラジルにとって有利に展開しているに、国民が波に乗れないのだ。国民は現状打破のために、大きな声で政治と経済の不満を訴える必要がある。