2006年4月12日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三月二十七日】家具輸出が盛んなサンタ・カタリーナ州サンベント・ド・スル市は、四個生産する毎に一個を欧米へ輸出していたが、五カ月前に異変が起きた。従来一〇〇%国産であった家具が、現在は金具を中国から、合板を亜国から、塗料をチリから輸入している。
欧米市場に中国製やベトナム製の格安家具が進出しており、不利なドル安のもとでコスト削減に努力している。同市のGDP(国内総生産)は、四二・五%が家具で占められている。
同市から程遠くないリオ・ド・スル市は、ドアの大生産地であった。それが今は、中国からドアを輸入して顧客へ配達している。同州の建材業者はほとんど、半製品を輸入して加工販売している。
まだ奈落の底までは行っていないが、やがて中国の完成品が怒涛のごとくブラジルに押し寄せることは想像に難くない。悲惨なのは、大量購入ができない小零細企業である。これら企業は、直接輸入ができない超零細企業を相手に輸入品の仲介で販売するしか残された道がない。