2006年4月12日(水)
鳥インフルエンザのために鶏肉の消費がEU市場で激減したことから、ブラジルの処理場にも影響が出てきた。大手のアウロラとセアラが四月、サンタ・カタリーナ州にある系列の処理場で操業の一時停止を検討している。ぜい肉切除は多少痛みを伴うが、大量解雇よりよいと関係者はいう。鶏肉危機は〇六年上半期を峠として、下半期には回復とみている。
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遺伝子組替え(GM)牛のブラジル企業二十一社によるコンソーシアムが訪米し、米農務省(USDA)と牧牛のGM精子とGM受精卵の市場開放について協議した。米市場がGMに開放されると、中南米全体がGM開放へ向けて動き出すと関係者はみている。米政府はブラジルの口蹄疫を懸念していたが、精子は口蹄疫を媒介しないことが分かった。
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パラナ州のレキオン知事は、生物多様性会議出席者を同州へ招待した。沿道に多数の「遺伝子組替えに反対する州」のアウトドアを設置して招待客を迎え、同州はスーパーからGM商品を全部撤去すると発表した。GM農産物を一部でも原料とした商品を初め、その飼料を食べた家畜を原料に混ぜた商品も撤去の対象になるという。他州からの持込も禁じた。生産者や組合が何を植えるかは自由だが、同州での販売は禁止という。
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農業不振をかこつ中、ケン(さとうきび)が意気軒昂である。ダッタグロは、二〇一三年のケン生産が七億トンに達すると発表した。予定通りにケンが生産されれば、現在内外からあるエタノールと砂糖の注文に対応できる見込みだ。ケンの作付けは年々、七・八%増の割合で拡大しなければならない。砂糖は二〇一三年、四〇〇〇万トン生産され、国内向けに一二〇〇万トン、二八〇〇万トンを輸出、エタノールは三三八億リットル生産され、二七〇億リットルが国内向け六八億リットルを輸出する見通し。
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花卉市場は好調な需要で出来高も右肩上がりである。一方、ドル安の影響で輸出が減るかたわら輸入花卉が増え、国内生産者は苦しい競争を強いられている。