2006年4月18日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】野党ブラジル民主社会党(PSDB)と自由前線党(PFL)の議員らは十六日、ルーラ大統領が犯罪組織の主犯であることを大統領支持層の庶民階級に訴え、大統領の印象を幻滅させるキャンペーンを始める方針を決めた。中間層はすでに大統領から離れたと野党はみている。ビンゴCPI(議会調査委員会)で開示を申請中のオカモト氏の銀行口座を、野党は新たな攻撃拠点とするらしい。元管理人の口座に対する違法開示は、バストス法相が事情説明を行う。裏金疑惑は、大統領顧問弁護士テイシェイラ氏による野党議員の説得で、政府包囲網をなし崩しにしようという魂胆だ。
口座の違法開示と裏金疑惑の矛先をかわし、ルーラ大統領は窮地をしのいだらしい。野党議員らは次の策として、今週開かれるビンゴCPIでは大統領のイメージダウンに的を絞る考えのようだ。郵便局CPIはほぼ終了した。今後の焦点は、いかに政治危機を大統領責任に結びつけるかにかかっている。
政府の政治目標は、いかにルーラ大統領の再選に向けて旗揚げを行うかだけである。野党はキャンペーンで「ルーラが犯罪組織の主犯」であることを庶民に強調する方針。そのための材料をビンゴCPIで作らせる。第一段階は、オカモト小規模零細企業支援サービス機関(Sebrae)総裁の口座開示を行い、見世物にする戦略のようだ。
同総裁は労働者党(PT)の元金庫番で、財務のキーマンであった。CPIに対し裁判所が同総裁の口座開示を拒否するのは、大統領の個人債務二万九四〇〇レアルの決済に関する事実解明を回避させる意図があると野党はみている。
ビンゴCPIは、大統領を包囲する材料を持っている。それは大統領の快刀であるオカモト氏と顧問弁護士のテイシェイラ氏に吐かせること。この二人が良いことも悪いことも含め、大統領に密着していた人物であると野党はいう。
野党はオカモト氏の口座開示を二度申請し、裁判所に拒否された。今度の開示申請は三度目である。オカモト城は、全ての国家権力に守られ難攻不落である。これまでにこれほど堅固な防壁は前例がない。オカモト氏はルーラ大統領にとって本丸といえる。
野党の標的は、オカモト氏とともにテイシェイラ氏にも砲口が向けられている。同氏のCPI召喚は十八日、元PT党員で計理士のヴェンセスラウ氏の後で行われる。ヴェンセスラウ氏は、テイシェイラ氏とオカモト氏を裏金捻出で暗躍した人物と告発した。
PTは、バストス法相の懐柔作戦に期待している。法相の取り扱いについては野党も二分。連邦警察が法相の支配下にあるのか、独立機関かで見方が異なる。元管理人の口座違法開示は前財務相の責任か一職員の責任か、法相が鍵を握る。ビンゴCPIが、口座違法開示はリベイロン・プレット疑惑の一部分であると単独犯罪を否定した。
口座違法開示には、情報漏洩という余罪がある。連警は、マルセロ財務相元補佐官の電話明細の開示申請を行った。口座開示が行われた十六日夜の前後、誰と電話で連絡をしたか調べる。しかし、連警はインターネットで漏洩したとみている。