2006年4月18日(火)
百周年協会祭典委員会(田中洋典委員長)によるブラジル日本移民百周年記念式典の説明会が八日、レジストロ日伯文化体育協会で開かれた。近郊文協の代表など三十人以上が出席。サンパウロから訪れた四人の協会関係者が式典への協力を呼びかけた。
祭典協会による説明会は七カ所目。この日は、レジストロ、ジュキア、セッテ・バーラス、イグアッペ、イタリリ、ペドロ・デ・トレド、ミラカツなど、リベイラ沿岸日系団体連合会(FENIVAR、山村敏明会長)傘下の日系団体から代表者が参加した。
サンパウロの祭典協会からは、田中洋典・祭典委員長、石崎矩之委員のほか、同総務委員会の大浦文雄副委員長、川合昭プロジェクト委員がレジストロを訪問した。
市の百周年委員会立ち上げを進めるレジストロ。説明会に同席したクロービス・ビエイラ・メンデス市長は、岐阜県中津川市との姉妹提携を紹介した上で、同市としても百周年に向けた記念事業を計画していることを説明。「リベイラの日系人、連合会の人たちと話し合い、百周年の一部に関わりたい」と意気込みを述べた。
「日系だけでなくブラジル人すべての祭典に」と語る田中委員長。現在進行中の百周年プロジェクトについて説明した後、会場の図面を示しながら、六月二十一日にアニェンビーで予定されている式典の計画を説明した。
移民百年のあゆみをテーマにしたパレードには約八千人の出場を予定。会場ボランティアを含め、式典当日の参加人数は約一万二千人に上るとの考えを示し、協力をよびかけた。祭典協会の広告代理店DPZと、式典のスポンサー集めに関する契約を交わしたことも明らかにした。
式典ではさらに、日本移民の歴史上大きな役割を果たした人物を顕彰する計画もある。田中委員長は「移民の父」水野竜、当時の大統領アフォンソ・ペーナなど日本移民導入に関わった人物のほか、戦後一九四六年の新憲法制定時に日本移民の入国を禁止する条項が賛否同数だった時、禁止に反対票を投じたメーロ・ビアナ議長(当時)などの名前を挙げた。
これに対して出席者から対象者の枠を広げることを求める意見が出され、田中委員長は、協会から全伯の日系団体に文書を送って推薦を受け付ける考えを示した。
説明会は三時間以上におよんだ。出席者からは式典参加に関する説明のほか、祭典協会の広報不足を指摘する声も。「人数が多くて良かった」と語る田中委員長。会を終え「質問も、文句も良かったですよ」と手ごたえを語った。
沿岸部にも皇室訪問を
この日の会議では、リベイラ連合側からも、地元の百周年事業に関する説明があった。
現在、レジストロでは、造形作家の豊田豊さんに依頼して、同地の精米機を利用したモニュメントを製作する計画が進んでいるという。連合傘下の各地でも事業の検討が始まっているようだ。
さらに、スドエステ連合と合同で〇八年六月に百周年記念式典を開催する計画もある。説明会の出席者からは、レジストロの式典に皇室関係者の訪問を願う意見が上がった。祭典協会側でも日本側との連絡など協力していく姿勢を示した。
リベイラ連合は、一年半の準備期間を経て、今年三月に設立したばかり。まだ百周年協会に加入していなかったが、この日の会議を終え、山村会長は加入の意向を示した。
「百%が参加したということは関心の高さの表れ」と同会長。「自分たちはこの地域が日本人植民地の発祥であることを自覚しています」と〇八年に向けた意気込みを表わした。