2006年4月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】七五億レアルに及ぶ負債を抱えて破産が噂されているヴァリグ航空に対し、同航空の管財人となっているリオデジャネイロ地裁のアイオウビ判事は噂を否定し、再建に向けて前向きな姿勢で検討していることを明らかにした。
同判事は十七日に行われた共同記者会見で、事実無根の噂が先行しており、管財人の知らぬ間に同航空がシャッターを降ろす日付まで決めてしまっていると苦笑いを見せ、再建は可能だとの強い姿勢を示した。その上で再建策の検討を委託しているカウンセリング会社二社を交えて民間航空局と協議し、承認を取り付けたことも明らかにした。同航空局ズアナジィ局長もこれを肯定、当分静観するとの態度を表明した。
同管財人は融資問題や商標権のヴァリグログの買収など難題は山積となっているものの、必ず再建はできるとの強い決意を示した。
しかしいっぽうで、民間航空局内部ではヴァリグ航空の破産を視野に入れた動きが広まっており、ヴァリグ航空なき後の対策について、ライバル会社との間で水面下の交渉が始まっている。すでにBRA、GOL、TAMの国内航空会社と外資のオーシャン・エアーなどが書面で計画書を提出したと伝えられている。
いずれの会社もヴァリグ航空の発行した航空券を裏書保証(エンドース)することで、自社の便で引き受けるとしている。とくにTAMは国内便のほか現在就航中のパリ、マイアミ、ニューヨーク行きの便の座席を保証している。BRAは近々就航予定のスペインおよびポルトガル行きの便に確保する。オーシャン・エアーはサッカーのワールドカップが行われるドイツ行きとロサンゼルス行きを保証している。
このほか各社では現存のヴァリグ社員を雇用することや、ヴァリグ航空がリースしている機体を肩代りするとの申入れも行っている。リース会社とはすでに水面下で交渉が進展していると伝えられている。