2006年4月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三月三十一日】マット・グロッソ州では農業不振のため、場所によっては四五%も土地が値下がりしている。生産者は銀行融資を決済できないため最後の手段として、農地を手放す決心をしたようだ。農業生産者にとって農地は、自分の分身である。
全盛時代は一ヘクタールの地価が大豆二五〇俵。当時の相場で一俵が三五レアルだったので、八七五〇レアルであった。現在は一ヘクタール当たり一二五俵、一俵の相場は二〇レアルだから二五〇〇レアルになる。
一〇〇万レアルで土地を購入して、五〇万レアルで手放した農業生産者が多数いる。原始林で未整地の農地は往年の九〇俵から二五俵に値下がりした。借地料もヘクタール当たり、六俵から三俵に値下がりした。借地農は借地料の値下げか、契約の中断交渉を行っている。
特に深刻なのは大豆生産者。続いてトウモロコシ、綿、牧牛の順。救われたのはさとうきびとコーヒー、植林だけ。銀行決済のための土地売却は、二〇〇五年中頃から噂に上がっていた。頼りの主産物が迷走しているため、農業経営の柱が揺らいでいる。
マット・グロッソ州の土地値下がりは、マット・グロッソ・ド・スル州へも伝染した。同地域の土地値下がりが南部の三分の一以上の相場で止まらないと、南部開拓者の移動も止まる。土地の値下がりは、農業の将来性と地域産業に見切りをつけることになる。