2006年4月19日(水)
パラナ州は、ネズミの被害に代わり鳩の繁殖に悩まされている。特にパラナグア港付近には三万羽が待機し、船積みを待つ大豆を食べている。マリンガ地方の生産者は、鳩対策で環境団体へ対処を要請した。環境省は銃による射殺を勧め、毒殺を禁じた。過去六カ月間に、鳩八千羽とネズミ一万五千匹を退治した。パラナグア港には世界中から船舶が入港し、船の上には大量の鳩が便乗している。いつ鳥インフルエンザのH5N1菌を媒介するか分からない。
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サンパウロ州リベイロン・プレット地方は三月末、ケン(さとうきび)の収穫が始まった。東北地方の出稼ぎ労働者が大挙、ケン収穫の季節労働者として到着している。最初は日雇い労働から始め、翌年は請負契約をする。さらに一個師団を率いて、大規模な請負契約をするなど出稼ぎの階級があるらしい。熟練すると能率に大差がある。初任給は基本給が四一〇レアル、それに能率給がつき一二〇〇レアル取る労働者も多い。使う山刀も工夫する。今年は作付が大幅に増えたためケン収穫労働者だけでなく、運転手やその他オペレーターの雇用も多い。
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イランの核開発で米政府が経済制裁を示唆し、ホルムズ海峡が一触即発の情勢にある。原油のバレル一〇〇ドル説が米イランの緊張で現実味を帯びてきた。そのためエタノール生産が脚光を浴びている。ブラジルで合弁事業に投資をする米資本家が続々来伯している。新規設立ではなく、すでに稼動中の企業に拡張投資するケースを探している。多くは米国でもエタノール生産に従事しており、危険分散のためブラジルにも投資を考えている。ブラジルはエタノールの生産技術と廉価生産で、米国より進んでいる。生産と同時にアジアなどのエタノール関係者にコンサルタントとして経営参加もする。
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食糧大国ブラジルが農業不振で頭打ちしている一方で、海外では中東情勢の変化に伴い石油備蓄に並び食糧備蓄という文字が外紙に踊るようになった。減反政策も一種の食糧備蓄らしい。