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06年度予算案が成立=上程から108日後=地方交付金問題で政府妥協=政府、財政責任法修正を検討

2006年4月20日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】二〇〇六年度予算案が十八日、野党の圧力で政府が数々の譲歩を余儀なくされた後、上程されて百八日目に形式的な表決で成立した。今年度予算が承認されないまま四カ月が経過し、政府は公共事業に支障を来たしていた。野党は地方自治体への交付金の償還に応えるよう政府に圧力を掛けた。セルジッペ州は、財政責任法(LDO)により八カ月も州財政が窮し、地方行政は停止していた。政府は各党代表を招き、ジェンロ憲政相の根回しにより予算成立に至った。結局、同州の交付金が与野党合意の糸口となった。
 今年度予算案を巡って与野党は議論を交わした。議論はセルジッペ州が焦点となったが、ようやく合意に達した。同州は自由前線党(PFL)の支配下にあり、LDO不履行の理由で社会経済開発銀行(BNDES)の融資八〇〇〇万レアルを止められていた。同州のアウヴェス知事は再々国庫庁と折衝。しかし、同州議会経費がLDOに定められた州予算の三%の限度を超過しているとして、融資を封じられた。
 同知事が財務省から呼び出されたとき、同州のLDOは八%が限度であると報告。同知事は交渉の末、州議のサラリーを減給にし、LDOの三%以内に縮小することで合意。それでも財務省監査局は、LDO規定の期限を超過したとして融資の裏書を拒否した。
 アウヴェス知事は、政府が始めから州財政を破綻させるつもりで罠を仕掛けたと憤慨した。政府は予算案を成立させるため、同州への八〇〇〇万レアル交付で妥協した。しかし、同知事は、交付は約束であって保障がないと妥協案を拒否した。メルカダンテ上議(労働者党=PT)が仲介し、セルジッペ州のためにブラジル全体が止まるのは賢明でないと異議を唱えた。
 憲政相は、同州が八カ月以内に州議の減給を決行することで交付を保障した。それでも国庫庁は八カ月が長過ぎると交付を拒んだ。結局、ジェンロ憲政相の約束を信じることで、与野党は手打ちをした。
 政府は〇七年予算案が議会の承認を得なくても、融通幅を持たせることで交付可能なLDO補足案を起草している。八月には上程見込みであるが、議会の抵抗は折込済みである。これは年度予算案の上程毎に、野党の執拗な抵抗を押さえる防衛線だ。
 〇六年度予算案の成立が四カ月も遅れ、予算交付の遅れが許されない公共事業が滞ったことで、政府は苦い経験を味わった。これはLDOが欠陥法であるため、修正が必要であったと予算管理相が説明した。公社は政治団体と違い、営利団体であるから待ったなしの資金が必要になる。
 米国では議会が予算案を承認しないと公社はもちろん博物館まで閉館し、政府機関は死に体同然となる。ブラジルと米国は文化が異なるので、当地に準じた予算法補足案があって然るべきだと同相はいう。政府と議会は腕相撲をしているのではない。どちらも口があり話せば分かる。予算案の成立には期限を設けるべきで、議会は表決のための時間が十分あり、予算案を優先事項として扱うべきだと同相は述べた。