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尊属殺人被告を仮釈放=2年間公判なく人道に反する

2006年4月20日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】最高裁は十八日、サンパウロ市内で実父と継母の二人を殺害したとして尊属殺人の罪に問われているジル・ルガイ被告に対し、仮釈放を命じる判決を下した。同被告は犯行直後に逮捕され、二年十三日間未決刑務所に拘置されていた。
 犯行は二〇〇四年三月二十八日、サンパウロ市西部ペルジーゼス区で発生したもので、検察の起訴状によると、同被告が実父の経営する会社の金を使い込み、その非が発覚したことで、自宅で両親を殺害したとしている。
 これに対し被告は犯行を否定し、無実を主張してきた。弁護側も被告にはアリバイがあるとして真っ向から対立してきた。
 今回の仮釈放の判決は犯罪の性質とは関係なく、最高裁によると、長期間の拘置にもかかわらず公判のめども立っていないことから、人道および人権に反するとしたもの。
 最高裁はこれまでも、今回より短期間拘置された被告を仮釈放処分にしたことがあり、今回の措置は妥当だとした上で、審議も開始していない裁判所の怠慢を非難している。
 仮釈放の法的解釈はまちまちで、同じ尊属殺人の罪で逮捕されたスザネ被告の件で物議をかもした経緯があり、今回も論議の的になるとみられている。