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伯外務省=100周年に向け動き出す=政府内に2委員会設立=サンパウロ市で日系団体と初会合

2006年4月20日(木)

 「伯外務省が中心となり、百周年プロジェクトを遂行していく」。具志堅ルイス大統領府戦略問題担当官は十九日午前、サンパウロ市の大統領事務局で日系社会代表者と初の会合を開き、政府内に企業、日系社会による二つの委員会を立ち上げ、条例化することを明らかにした。外務省アジア太平洋局のマウロ・オランダ局長代理、ジャジエル・フェレイラ・デ・オリヴェイラ元駐日ブラジル大使、在ブラジル日本国大使館の近藤健二等書記官が出席した。百周年協会関係者を始め、パラナ、サンタカタリーナ、ミーナス、リオなどからの日系団体代表者ら約百人が参加、聴聞会も行われた。次回会合は六月末に予定されている。

 「連邦政府として日系社会との会合は今日が始めて。これからが公式プロジェクトの始まりです」。
 予定開始時間を少し過ぎた十時十五分。席についた具志堅氏は、ブラジル政府としてブラジル日本移民百周年事業を推進することを明言した。
 現在、日伯政府間で検討されているエタノール、デジタルTVについても触れたうえで、昨年の「フランスにおけるブラジル年」の開催にあたり、「政府と企業との結びつきが大事だと感じた」と強調。
 各省がブラジル銀行やペトロブラスなどの企業、日系コロニアそれぞれと連携した二つの委員会を立ち上げ、条例化することを明らかにした。
 百周年関連プロジェクトは外務省が中心になって進めていくこととなっている。アジア太平洋局のマウロ局代理は、「ブラジルの日系社会に限らず、日本国内のブラジル人コミュニティー対象のプロジェクトも取り入れたい」と話し、デカセギ問題も視野に入っていることを示唆した。

  日系社会からの意見も受け付け

 なお、五月三十日を期限に「日系社会からの意見などを受け付けたい」とし、「六月末に再度、会合を持つと同時に日本政府との対話も続けていきたい」と話した。
 サンパウロでの対応には、ジャジエル元在日ブラジル大使が担当することが確認された。
 具志堅担当官は、「日系コロニアからの意見を聞きたい」と会場に水を向け、聴聞会を行った。
 ブラジル日本移民百周年記念祭典協会の上原幸啓理事長は会合開催に感謝の意を示したうえで、協会内で検討、すでに実施が決定されているプロジェクトをまとめたものを手渡した。
 リーガ・アリアンサの西森ルイス会長は、パラナでの百周年への取組みを紹介。パラナ州内の連邦大学がクリチバにしかないことを挙げ、ロンドリーナに連邦技術大学誘致を期待する声があることを伝えた。
 各州からの日系団体代表者がそれぞれの取組みなどについて発表し、政府レベルで百周年事業が始動したことに歓迎の意を表した。
 マウロ代理は「これから日系社会との対話を続けたい。各団体で意見やプロジェクトを十分に検討してもらい、広報にも努めてもらいたい」と草の根レベルでの百周年事業への協力を期待、会合を締めくくった。