ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ルーラCPIの設置申請=上議34人が同意=野党、いよいよ本丸攻撃へ=政府は数の力で対抗

ルーラCPIの設置申請=上議34人が同意=野党、いよいよ本丸攻撃へ=政府は数の力で対抗

2006年4月21日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】アウメイダ・リーマ上議(ブラジル民主運動党=PMDB)は十九日、ルーラ大統領とその家族と、オカモト小・零細企業支援機関(Sebrae)総裁との関係を解明するCPI(議会調査委員会)の設置申請書を、上議三十四人の同意書を添えて上院執行部へ提出した。上院は、CPI設置に最低二十七人の同意書を求めている。郵便局CPIが不完全燃焼のまま閉幕したことで、野党は矛先をルーラ大統領の周辺に向けた。「ルーラCPI」と命名し選挙年であわただしい中、新たな攻防戦を繰り広げ、政府支持率の引き下げに向けて野党は奔走する。
 大統領府は「ルーラCPI」の活動を阻止するため動き出した。申請書には三十四人の上議が賛同。自由前線党(PFL)が十三人、ブラジル民主社会党(PSDB)が十二人、PMDBが五人、民主労働党(PDT)が三人、自由社会党(PSOL)が一人である。
 調査期間は六カ月、調査事項は五件。申請書には五件が箇条書きされたので、与党はスーパーの買い物リストだと皮肉った。同意書にサインをした野党上議の多くは、また労働者党(PT)にうまく乗せられるのではないかと、成果を疑問視している。
 五件の項目の中には、ビンゴCPIや検察庁が捜査済みで、重複するものがある。上院執行部は各同意書を吟味し、本会議では申請書とともにカリェイロス上院議長が朗読する。その後、議会広報で公示。公示される前日の午後十二時まで、同意した上議は翻意が許される。サインをした上議に政府の報復が当然予想されるからだ。
 ルーラCPIが調査する五件は、次の通り。
一、元管理人の口座違法開示と大統領の関与。
二、大統領選でのオカモト総裁と大統領の関係。
三、大統領の子息ファビオとテレマールの関係。
四、大統領の子息ジェニヴァウと公社の関係。
五、ジェノイーノ前PT党首の弟アダウベルトが持っていた一〇万ドルの出所と使途。
 オカモト総裁が野党の標的となっていることで、同総裁の口座開示阻止のため、政府はビンゴCPIの与党委員を根回し上手な上議に交代させる考えのようだ。CPIの最終表決を数の力で握り潰せることが、与党はわかったからだ。これからも数々の難関を多数決で葬る方針である。
 オカモト総裁の口座守秘作戦が成功すれば、連邦貯蓄銀行のマットーゾ前総裁と法務省のゴウドベルグ補佐官に対するCPI召喚阻止も可能である。二人は違法開示の重要証人だから、口を割らせないこと。政府はビンゴCPIを骨抜きにできる公算ができた。
 本丸ルーラ大統領への攻撃には、テイシェイラ顧問弁護士が兵法指南として背後で待機している。同弁護士はビンゴCPIへの召喚を拒絶した。CPIは二十日、再度同弁護士を召喚し、応じない場合は力づくで連れてくるという。
 しかし、同弁護士は最高裁から人身保護令を取得し、不罰特権や黙秘権も得た。ルーラCPIで大統領に手を出す者には、目にモノを見せると同弁護士が恫喝している。