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2006年4月21日(金)

 生徒が順調に増えているスザノ日伯学園。日本語学校の運営に苦しむ地方文協にとって、新しい選択肢を示したといえそう。そこへ行けば、一日子どもを安心して預けられ、コンピューターから英語、日本語も学べる。いくつもの塾を掛け持ちしている子どもを、あっちこっちに車で連れて行く必要がなくなるだけで、親の負担は相当減る。残念ながら、日本文化だけでは子どもは集まらない。現実的なメリットを伴ってこそ、学校は成功するのだろう。
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 ゲリラによる、九六年のペルー大使公邸占拠事件の舞台となったリマの土地が、日本政府によって売りに出されたとAFP通信は報じた。六千二百二十三平米と広く、平米単価は五百ドルが相場なので、総額は約三百十一万ドルだという。日本政府は同じ区内の別の場所に、厳重な警備体制をしいた新公邸を建設したため不要になった。あの事件で、世界にその存在を知らしめた藤森氏は、大統領選に出馬できずサンチャゴにいる。選挙のあと公邸売却。藤森氏にとっては名誉の戦場だっただけに、これでさらに影が薄くなるだろう。
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 商議所の昼食会で講演した古川長サンパウロ州矯正管理施設局長によれば、かつて邦字新聞の依頼を受けて州内の刑務所に入っている日本国籍者の数を調査した結果、二人の日本人がいることが分ったという。「日系人もいるかもしれないが、ブラジル人として登録されているので分らない」としながらも、二人という少数だったことについて「教育を重視した日本人の労力のたまもの」と強調していた。