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PSDBとの連立に難色=PFL、方針急変=アウキミン氏支持伸び悩みで=PMDBの連立打診待ち

2006年4月26日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】自由前線党(PFL)首脳部は二十四日、大統領候補予定のアウキミン前サンパウロ州知事(ブラジル民主社会党=PSDB)と連立を組み同党から副大統領候補を出す予定であったが、前知事の支持率調査の結果が伸びないことで連立に難色を示した。リオデジャネイロ市のマイア市長は、二十九日開催予定のPSDB党大会までにPFL選出の副大統領候補は人選が間に合わないと通告した。前知事の副大統領候補に予定されていたアグリピーノ上議(PFL)は、ブラジル民主運動党(PMDB)が独自の大統領候補を立てるなら、PFLにも連立の打診があるから、選択肢として考えるという。
 PFLの急変にはPSDB首脳部も驚いている。PFLの副大統領候補はほぼ確実と思っていたPSDBにとって晴天のへきれきである。PFL内も連立相手をPSDBかPMDBにするかで二分しているようだ。ジェレイサッチPSDB党首は、党首間の公式な伝達ではないので軽率な発言は避けるとした。
 マイア市長の見方では、より多くの下議を国会へ送り込むにはPSDBとの連立は不利という計算だ。だから連立相手は慎重にという意見である。PMDBから連立の打診があれば、当然PSDBとの訣別を要求され、原則として二股を禁じられるという。
 リオ市記者クラブで同日夜、リオ州知事選に立候補したパエス候補(PFL)の旗挙げ式が行われた。同候補は席上、PSDB・PFL・PMDBの三脚連立もあり得ると前サンパウロ州知事に述べ、PFLの動向は流動的であることを示唆した。波紋はマイア市長が統一連立方式を慮った戦略にあるらしい。大統領選の連立が州レベルに多大な影響を及ぼすからだ。
 PFLが心配するアウキミン支持率の伸び悩みについては、PSDB内でも選挙戦術を変更するよう同党の上議下議から圧力が掛かった。ジェレイサッチ党首はまず、マーケッティングの専門家起用とゴンザレス氏の戦略担当を要求した。前知事の内向型手法では支持率は伸びないと注意した。
 アウキミン前知事は、「田舎者の初心者」というレッテルが貼られているというのだ。行き当たりばったりで戦略思考がない。しゃべらせれば、有権者の心を打つ言葉が出ない。選挙には莫大な資金が要るのに、捻出の手立てがない。スタッフは素人ばかり。イメージ売り込みのマーケティング戦術を知らない。ルーラ大統領が貧乏人の味方で定着しているから、アウキミン候補は金持ち代表というイメージは払拭せよと党幹部がいう。
 党や議員らから圧力を受けたアウキミン前知事は二十四日、選挙の広報スタイルを変更する考えのないことを表明した。国民は外観だけの格好良さと口先だけの空公約に食傷しているという。この国民の叫びに応えることをモットーにする考えを披れきした。
 選挙戦術は、労働者党(PT)政権の偽善性をはがすためサッカーの例え話で国民を説得すること。ルーラ政権はバーチャル(仮想)政権だと糾弾。盗人共とグルを組む大統領とは一体何者かと弾劾した。政府をチームに例えれば、PSDBはロナウド級の名選手ばかりと豪語した。