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コラム 樹海

 最近、デカセギが多い地域の新聞をみると、以前あまり見なかった記事が増えている。愛知、静岡、岐阜、長野、兵庫、三重などの地域のデカセギと住民との交流話や自治体の対処話である▼小さな自治体の中には、外国人の数が総人口の一割に近い所がある。そうしたところでは、デカセギを単に町にやって来た外国人、という受け取り方でなく、明らかに、一緒に働いて、暮らしている外国から来た人たちと位置付けている、そんな雰囲気が感じられる▼交流の場を設けようとしているのは、自治体やボランティアグループであったり、学校の教師であったりする。市の広報紙に外国語をいれたり、窓口の設置、日ポ両語による授業を採用したりする▼敏感だな、と最近思った一つは、滋賀県内で中国人の母親が幼稚園児を二人殺害したあとの、学校教師たちの反応だった。地域の教師たちはすぐに「外国人の(園児、生徒たちの)母親といかに付き合うか」の研究会を開いて議論した。従来は母親たちとの話し合いの場を設けても、外国人の母親たちは、固まって壁際に寄ってしまう。そこで考えたのは、「料理の教え合い」だった。すぐにうち解け合えた▼デカセギの側にも日本での生活経験が豊かな人がおり、現実を認識した上でリーダー格になっているのは心強い。そういう人がけっこう増えた。交流は学校の生徒たちにも広がっている。デカセギの犯罪記事が減って、理解し合おうとする交流記事が増えていくのは、望ましい傾向だ。(神)

06/04/26