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ドライブスルーで麻薬密売=少年らが大声で呼び込み=サンパウロ市

2006年4月28日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】麻薬の密売が遂に堂々と街頭にまで進出してきた。密売が確認されたのはサンパウロ市南部コンゴーニャス空港近くのロベルト・マリーニョ大通り(旧エスプライアダ通り)で、三カ所で街頭商人よろしく出張販売をしている。
 この密売はドライブスルーと呼ばれ、購買者は車から降りることなく、車窓から現金を渡し現物を受け取って立ち去る。ドライブスルーはアメリカで古くから営業されてきたが、ブラジルではハンバーガーのマクドナルドが導入した。入口で注文してカウンターで支払って品物を受け取るスタイルで、いちいち車から降りる手間ひまを省いたもの。麻薬組織はこれを応用した。
 同大通りにたむろする売人にライトを点滅して近づきグループに支払うと、数メートル先にいる受渡し役に無線機で連絡して品物を渡す仕組みになっている。あるいは単一グループに金を支払った後、一区画を一回りしてくる間にヤクが運ばれて手渡すやり方も行われている。中にはフェイラ(朝市)のように大声で呼び込みをやっている少年もいる。
 同大通りでは、警官がパトカーで巡回しているが、パトカーが近づいても逃げまどう訳でもなく平然としており、パトカーが遠のくと商売に精を出している。警官によるとグループを検挙してもタケノコのように別のグループが現われ、イタチごっことなるので、一掃作戦以外は取締りの対象にしていないという。同大通りのドライブスルーの一カ所はブラッコ・ケンテと呼ばれる大ファベラ(スラム街)で犯罪が多発するので、そのパトロールに注力していると説明している。