2006年4月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】運転免許証更新に際し、緊急応急処置の講習を義務づけた運輸省の省令が昨年六月から施行されているが、これに対し上院が反対のノロシをあげ、違憲だとして廃止の決議を行った。この後下院に送られ決議されると正式に廃案となる。
同省令は一九九八年以前に取得した免許証を対象に書換えの際に十五時間の州交通局指定の機関(自動車運転教習所など)での講習を義務づけた。これを全うした場合、テストは免除となる。通信講習や独学の場合はテストで三十の設問のうち、最低七〇%の正解が必要となる。昨年六月に実施されて以来、サンパウロ市のみで毎月三千五百人がテストを受けていた。
上院ではこれに対し、国民に義務を押しつけて講習費などの余計な出費を強制するのは違憲だと断定した。関係者によると、この省令で国民の負担は二〇億レアルに達するという。上院では金儲けのための省令だと決めつける声もある。
いっぽうで運輸省では交通規則に沿った措置であり、国会議員らの今年の選挙に向けての人気取り決議だと反論している。しかし一般国民は負担が軽くなることから上院決議に双手を挙げて賛同、お役所仕事の独断専行にソッポを向いており、久々に国会議員に対し軍配をあげている。